メディア

7兆円のCHIPS for America Act成立で矢面に立つIntel大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は先月末に成立した米国半導体業界の再生に向けた法案「CHIPS for America Act」などにフォーカスする。

» 2022年08月16日 09時00分 公開
[大原雄介TechFactory]

今月は細かいネタを幾つか、といいつつ話が最終的にIntelに収斂(しゅうれん)してしまうあたりがなんともはや、という感じではあるのだが。

CHIPS for America Act成立

 2022年7月28日、CHIPS for America Act(正式名称は“The CHIPS and Science Act of 2022”)が可決された。要するに米国内で生産を行っている半導体企業に対して、5年間で527億ドル、おおよそ7兆円の資金を提供する(ただし当然ながら生産拠点は米国内)というものである。これでどのくらいの設備が建設できるか? という話だが、例えば2021年末にSamsungがテキサス州テイラーに新Fabの建設計画を発表した時の金額はおおよそ170億ドル。つまり、先端Fabを新規に3つ建設してお釣りが来る程の金額である。当然ながらこれに喜んだのはIntel、GlobalFoundries、SkyWaterといった、米国に製造拠点を置く半導体メーカーであって、Intelは「中断していたオハイオ拠点の建設を再開する」、Globalfoundriesは「ニューヨークとバーモントの製造拠点の投資に利用する」といった具合。Skywaterは2022年7月20日、法案成立を前提にインディアナ州に新施設建設を発表している。逆にFablessであるAMD、NVIDIA、Qualcommといったメーカーは、そもそもリリースすら出していないあたり、特定メーカー向けのひいきの引き倒しといった印象は否めない感がある。

 この中で一番矢面に立っているのがIntelである。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.