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ファーウェイ、生き残るための“次善の策”大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/2 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2019年5月の業界動向の振り返りとして、2018年末から話題となっているファーウェイを巡る話を紹介する。

» 2019年06月28日 09時00分 公開
[大原雄介TechFactory]

 今月はファーウェイ(華為技術、Huawei)の話をしたいと思う。

 ファーウェイを巡る話は、端末側については既に多くの記事が出ており、これらをお読みになった方も多いと思う。大本というか、発端になったのはおそらく2018年12月ごろに話題になった、「ファーウェイの機器に『余計なもの』が入っている」という報道だと思われる。これに先んじて2018年10月には、米Bloombergが中国で生産されたSupermicroのマザーボードにバックドア用のマイクロチップが埋め込まれていたと報道されており、当初はファーウェイの報道もこれに続くものかと思われていた。ただ2018年12月には孟晩舟CFOが逮捕されるなど、いきなり状況は激化しており、2019年5月15日には米トランプ大統領が大統領令13873に署名。これによりファーウェイとその子会社は米国関連企業との取引が一切不可能になってしまった。

 この影響についても、やはり多くの記事が出ている。西田宗千佳氏の記事が筆者の考えているものに一番近いと思うし、その5Gのインフラ周りについてはタイムリーな座談会もある。要するにファーウェイを痛めつけたところ、結果として結構な返り討ちを食らう羽目になっているという話だが、そのあたりは座談会記事にお任せするとして、ではファーウェイはどういう手が取れるのか? という話を少しご紹介したいと思う。

ファーウェイが用意する“プランB”とは?

 既に今回の騒ぎは、単なる企業に対する制裁のレベルを超えて米国と中国の貿易戦争の域に達しており、既にファーウェイ単体でどうこうできる話ではなくなりつつある。もちろん2018年のZTEの時の様に、制裁金などで落ち着く可能性もないとは言えないし、それが恐らくファーウェイにとっては一番無難なプラン(プランA)だと思うが、そうならない可能性ももちろんある。それに備えて次善の策としてプランBを用意する、というのは軍出身の任正非氏(ファーウェイ創業者)にはごく自然な選択肢だろう(別に人民解放軍に限った話ではなく、どこの軍隊出身でもそういう選択肢を必ず用意すると思う)。

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