日本マイクロソフトと工作機械大手のDMG森精機は、IoT(Internet of Things)関連の取り組みで協業することを「IoT in Action Tokyo」(会期:2019年1月22日)の基調講演で明らかにした。本稿では、その具体的な中身とDMG森精機がAzureを選択した背景、そしてマイクロソフトが掲げる「Tech Intensity」を象徴するDMG森精機のビジョンについて紹介する。
ITの巨人と工作機械の巨人がIoT関連の取り組みでタッグを組む――。
日本マイクロソフト 代表取締役 社長の平野拓也氏は2019年1月22日、世界の主要都市で開催し、IoTのビジネス変革や最新動向などの情報を共有するパートナーイベント「IoT in Action Tokyo」において、IoTソリューションに関連するDMG森精機との協業について明らかにした(※)。
※本協業は、2016年9月発表の「工作機械を中心とする制御システムのセキュリティ、スマートファクトリーの実現に向けた技術協力」の延長線上にあるものだとする。
» 工場のスマート化はどこまで進んでいるのか? 国内製造業を巡る
» 73.1%が「つながる工場」実現に向けて前進、課題は「費用」「人材」
» 無数のAIロボットが走り回る、究極の省人化を実現する次世代物流倉庫
工作機械メーカーのDMG森精機は、工作機械や周辺機器、生産システムなどをネットワークで接続し、より効率的な加工および生産性向上を実現する次世代インタフェース「CELOS(セロス)」を展開。タッチパネルにより、工作機械の操作や生産プロセス全体を支援する各種アプリケーションの実行などが行え、“インテリジェントな制御盤”として機能する。
このCELOSは、PCやスマートフォンのOS/アプリケーションのように継続的にバージョンアップし、工作機械そのものに新たな機能をもたらしてくれる。そのため、一度導入したら10年、15年と稼働する工作機械であっても常に最新機能が利用でき、納入時期の異なる機械同士の操作性や機能、互換性の維持が可能となる。
DMG森精機は、こうしたCELOSのメリットを最大限に有効活用し、継続的に顧客の生産性向上を支援するソフトウェアソリューションとして「CELOS Club(セロス クラブ)」の提供を行う。このたびの協業では、まずCELOS Clubのアプリケーションの1つ「DMG MORI MESSENGER」の運用において、これまで活用してきた自社データセンター内でのサーバ管理を廃止し、2019年前半をめどにマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」(以下、Azure)へ移行することが発表された。
以下、その具体的な中身とDMG森精機がAzureを選択した背景、そしてマイクロソフトが掲げる「Tech Intensity」の思想に基づく企業組織の在り方とDMG森精機との共通点について触れる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
豊富なホワイトペーパーの中から、製品・サービス導入の検討に役立つ技術情報や導入事例などを簡単に入手できます。