「XDF 2018」の現地取材を行った筆者が、Xilinx(ザイリンクス)のAIへの対応について、これまでの歩みを振り返ると同時に、同社が勝機を見いだすAI戦略の方向性、狙いについて考察する。
今回のお題であるが、ちょっと発表会に参加したこともあって、Xilinx(ザイリンクス)を取り上げたいと思う。それもXilinx全般の話というよりも「XilinxのAI戦略について」である。
このところFPGAベンダーも、AIへの対応を積極的に行っている。現在はIntelのPSG(Programmable Solutions Group)となっている旧Alteraは、早くからMicrosoftのAI戦略に協力しており、そのMicrosoftは2016年に、全てのAzureクラウドサーバにAlteraのFPGAが実装されたことを発表している。最近はIntelのAI戦略と密に連携する形で、InferenceとTrainingの両方に同社のFPGAが利用可能であることをアピールしている(※注1)。
Lattice SemiconductorはiCE40やECP5といった製品向けのAI Stackの強化に余念がない(関連記事:ラティス、FPGAベースのAIスタックを拡張)。同社の場合、そもそも製品ラインアップが小型のFPGAに限られることもあって、こちらは必然的にエッジ狙いである。同様に、やはり小型のFPGAを取りそろえる米QuickLogicも、QuickAIと呼ばれるエッジ向けの製品を提供し、AIへの対応をうたっている。
※注1:もっとも、例えばこちらの記事にあるように、可能ではあるが推奨はしない(Trainingは同社のNervanaプラットフォーム品に任せ、FPGAはInference向けを狙う)といったあたりが、基本的なストラテジーではある。
では、Xilinxは? というと、もちろんAIを軽視していたわけではない。
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