PLMフォーラム Autumn 2018 講演レポート
上流のシステムがおかしい!? 新PLM導入で工場の課題解消に取り組むシンフォニアテクノロジー(2/3 ページ)
現行システムの問題点と新システムの姿
現行システムが抱える問題について花木氏は、「現行システムでは、データが分散しており、BOM管理や電子出図システム、PDMなどのシステムが全く連携できていない。これでは業務効率が上がるわけはない」と指摘する。
ここを解決しなければ、設計者の負担やロスは増える一方で、属人化がますます加速してしまう。ただ、それを解決しようにも既存のPLMでは機能が限定的であり、システム改修には別途開発費とシステム人員が必要となる。「このままではスーパーサイクルのチャンスを逃すだけではなく、組織機能そのものが破綻してしまうと考え、新PLMシステム導入による設計データの一元管理を目指すことにした」(花木氏)
その理想を実現する新システムでは、新しいPLMシステムによる“All in Oneプラットフォーム”での各種データの一元管理を目指す。また、3D CADで設計した3Dモデルを活用したバーチャル試作や、SAP ERPとの連携なども実現するという。
新PLMシステム導入に不可欠な3つのポイント
この新PLMシステム導入プロジェクトを開始するに当たり、花木氏は「情報収集」「経営プレゼン」「コンペ」の3つを実施。まず、情報収集に関しては、工場長の立場でしっかりと自分で現状を理解することに努めたという。「ともすると全部部下に任せてしまいがちだが、重要な局面では判断が必要になるし、PLMの導入は大きなコストも発生するため、良しあしの見極めや決定を自ら行わなければならない。そのためにも情報収集を行い、自分で理解することが不可欠だった」と花木氏。具体的には、他社工場へ赴き見学をしたり、セミナーに参加して講演を聴講したりするなど、積極的に外部からも情報を集め、それと同時に設計部門の業務分析データを収集し、現場のどこに問題があるのかを把握することに注力したそうだ。
続いて、新PLMシステム導入にかかる資金確保のため、経営プレゼンも実施。「資金がなくては始まらない。だが、現場理解が弱いと経営層に対して十分な説明、説得ができないため、情報収集がまず重要。今回の場合、売り上げ急増に伴う業務破綻リスクについてきちんと説明し、それを回避するために設計環境の改善、新PLMシステムの導入が不可欠だということで理解してもらった」と花木氏は述べる。
そして、何より重要となるのが「主役は誰か? ということ。プロジェクトを現場で推進するドライバーを確保することだ」(花木氏)。そのために、導入検討中のPLMベンダー2社に現場データを渡して、現場設計者の前でコンペ(プレゼン)を実施したという。実際に新しいPLMシステムを導入することで、自分たちの業務がどのように改善するのかを目の前で見てもらうことで、「自分にやらせてほしい」という方向に現場の意識を持っていった。
「日々業務に追われている現場の設計者に新しいことをやらせるとなると、相当の負荷を強いることになる。そのため、そうしたことを承知で『将来の改善のためにやりたい』と言ってくれる人材を確保することが重要であり、そういう賛同が得られないとせっかく新しいシステムを入れても現場に定着しないで終わってしまう」(花木氏)。ちなみにこのコンペの結果、PTCの「Windchill」の導入を決定し、PTCとともに二人三脚でプロジェクト推進に取り掛かったという。
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