PLMフォーラム Autumn 2018 講演レポート
上流のシステムがおかしい!? 新PLM導入で工場の課題解消に取り組むシンフォニアテクノロジー(3/3 ページ)
新PLMシステム導入は現在進行中
同社における新PLMシステム(Windchill)導入プロジェクトは、2フェーズに分けてのスモールスタートで実施された。まず、2017年12月~2018年3月に行われたSTEP1では、半導体クリーン搬送機器事業に適したシステム設定および使い方を検討し、新システムの構築を実施。プロジェクトを推進する現場の設計者5人に対し、教育を行うと同時に、半導体クリーン搬送機器の一部(1型式)のデータ(SOLIDWORKS、BricsCAD、部品表、関連ドキュメント)を新PLMシステムに投入して、検証を行ったという。
そして、現在進行形なのが2018年4~9月までのSTEP2で、半導体クリーン搬送機器全体を対象に検証。既存の全型式の部品表、作業手順書などのデータを新PLMシステムに移行し、人手やコストといったリソースを投入して、今まで整合が取れていなかった情報などを整理してから、新PLMシステムに移行する作業を進めているという。加えて、SAP ERPに対して製造情報をやりとりできるようシステム連携についても整備を進め、2018年10月には半導体クリーン搬送機器の設計および生産準備メンバー全てで、新PLMシステムの運用を開始する予定だ。
IT投資を成功させるためのポイント、そして次のステップ
講演の最後、花木氏はIT投資を成功させるためのポイントをあらためて紹介。まず心得としては、(1)これから作りたい理想の状態を自分で勉強、理解すること、(2)現実と理想のギャップを正確に把握すること、(3)手段と目的を混同しないこと、(4)主役(計画の実行者)をその気にさせること、(5)経営層をその気にさせることを挙げる。
また、実際にプロジェクトを推進して感じたこととして、「改善の基本として、情報をいつでも正確に、漏れなく引き出せる仕組みが大切だ。われわれは、この情報の2S(整理整頓)=PLMの部分で遅れていた。また、技術伝承の観点からもPLMが有効だと考えている。これまで残らなかった熟練技術者の勘と経験をPLMで残すようにして、そうして蓄積されたビッグデータを基に理論へと発展させることで、さらなる高度化につなげられると期待している。最後が全体最適化の場の拡大である。工程から工場へ、そしてより大きなエコシステムへと全体最適化の取り組みを発展させることが、最終的に日本のモノづくりの再興につながると信じている。そのためにも、まずはPLMで情報を“2S”してためることが重要だ」と花木氏は心境を述べた。
シンフォニアテクノロジーによる新PLMシステム(Windchill)導入プロジェクトは現在進行形で、具体的な成果はこれからとなる。しかし、花木氏はその先の取り組みについても意欲を燃やしている。「まずは成果を形で示すことが大切だが、次のステップとして、品質や製造などの追加情報の整備、AR(拡張現実)を活用した作業指示、保守およびサービスの迅速化、半導体装置メーカーとの共同開発の迅速化に挑戦したい」(花木氏)
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