PTCジャパン PLMビジネス最新アップデート
PLMの存在なくしてIoTによる製造業のデジタル変革は成し得ない(1/3 ページ)
今、PLM市場が業種を問わず伸びている。その背景には、製品設計・開発におけるIoT利活用に向けた準備の一環として、PLMを導入しようという動きが活発化していることが考えられるという。こうした中、PLMソフトウェア「Windchill」を展開するPTCはどのように市場を捉えているのか? 米PTCのPLM/ALM製品責任者がPLM市場のトレンドと製品戦略について語った。
PTCジャパンは2017年2月21日、「PLMビジネス最新アップデート記者発表会」を開催し、同社のPLM(製品ライフサイクル管理)ソフトウェア「Windchill」を主軸とした、PLMビジネスの最新動向および製品戦略について発表した。
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冒頭、米PTC PLM/ALMセグメント ディビジョナル バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのケビン・レン(Kevin Wrenn)氏は、「PLMの世界市場規模は、全体として年平均成長率6.5%程度で伸長している。航空宇宙、自動車、ハイテクなど各業種それぞれが成長傾向にあり、PLM市場の拡大を後押ししている。この成長の背景には、IoT(Internet of Things)利活用に向けた準備の一環として、PLMを導入しようという動きが各業種で活発化していることが考えられる」と、近年のPLM市場のトレンドについて説明した。
IoTの利活用の方向性としては、製造設備などの状態監視による予兆保全や、出荷後の製品の利用状況を把握することによる製品改善(設計・開発へのフィードバック)などが考えられるが、こうしたIoTに関する取り組みを全うするためには、実はPLMの存在が不可欠であるという。この理由についてPTCジャパン 執行役員 専務の成田裕次氏は「製造設備や出荷後の製品から情報(稼働状況、利用状況)を収集して、それらを分析・解析したことで得られたデータ(新たな情報)は、PLMに入れて一元管理し、そうした情報を取り入れながら製品設計・開発のループをしっかりと回してこそ価値を発揮する」と述べ、IoTを活用した製品の設計・開発にPLMが必要不可欠である点をアピールする。
また、レン氏はPLM市場拡大に貢献する3つの要素として、「デジタル化」「プラットフォームとしてのPLM」「PLMクラウド/SaaS」を挙げる。まず、デジタル化についてだが、デジタルとフィジカルの融合の実現に向けて製造業でもデジタル化が進んでいるという。「そうした中、生み出されたデジタル情報を管理する役割を担うのがPLMである」とレン氏は主張する。2つ目の要素、プラットフォームとしてのPLMについては、「設計・開発部門だけがPLMを必要とする時代ではなく、会社全体、バリューチェーン全体でPLMを活用していこうとする流れが生まれつつある」(レン氏)とし、設計・開発部門から全社へ、全社から設計・開発部門へといったように、さまざまな情報を双方向に、自由に活用できる基盤(プラットフォーム)としてPLMがあるべきだという。そして、最後の3つ目の要素であるPLMクラウド/SaaSについて、レン氏は「われわれの競合でもあるオートデスクやオラクルなどでも同様の方向に進んでいる。PTCのクラウド事業に目を向けてみても、ビジネスが急拡大している」と話し、PLMにおいてもクラウドコンピューティングの波が押し寄せている現状を説明した。
「デジタルエンジニアリング」の実現に向けた道のりとは?
産業界全体としては、IoTの利活用に向けた取り組みが進展しており、製品を単に販売するだけのビジネスモデルから、製品にサービスを付加した形で提供するビジネスモデルにシフトしたり、通信機能を備えたコネクテッドプロダクトが次々と生み出されたりしている。こうした状況の中、PTCでは「デジタルエンジニアリングジャーニー」という製造業のデジタル化に向けた道のりを示し、各ステージにおけるデジタル変革へのアプローチを定義している。その道のりは、「現状把握」「差別化」「新たな価値の提供」の3つのステージに分かれる。
入手可能な現実世界のデータを活用して成果を生み出す
「現状把握」のステージは、現実世界のデータを活用してより優れた設計判断やデザインを生み出す段階を意味する。そして、これを実現するための要素としては、「Digital Product Definition」「Performance-Based Analysis」「Universal Data Access」があるという。「Digital Product Definitionは、製品要件や仕様、各種モデル、ハード/ソフトといった製品に関わる全てをデジタルの世界で定義するということ。Performance-Based Analysisは、想定ではなく実際の製品から稼働状態などのデータを取得して分析・解析を行うということ。それからUniversal Data Accessとは、部門などに捉われずデータを横断的に、双方向で活用していこうということだ」(レン氏)。
PTCでは、特に実現が難しいとされるUniversal Data Accessを可能とするために、「PTC Navigate」と呼ばれるアプリケーション群を提供。現在、データ閲覧に特化した「PTC Navigate View 1.4」をリリースしている。「PLMに精通していない人でも、PLMにある社内データに簡単にアクセスできる。また、画面デザインも業務内容や役職などに応じて用意されており、PLMだけでなく、その他の社内システム(業務アプリケーションなど)のデータにも容易にアクセスできる」(レン氏)という。基本機能としては、ドキュメント表示、図面表示、部品一覧情報表示などが用意されており、2016年1月のリリース開始から現在に至るまで、3~4カ月に1回のサイクルでバージョンアップを繰り返し、既に約10万ライセンスを販売しているとのことだ。
そして、2017年中には“貢献する機能”を提供する「PTC Navigate Contribute 1.0」のリリースを予定しているという。「PTC Navigate Viewは文字通り閲覧に特化した機能を提供した製品である。これに対し、PTC Navigate Contributeでは『マークアップ』『レビュー』『承認』『タスク完了』『データ添付』といった、ユーザーによる情報追加が可能な機能を提供する」(成田氏)という。
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