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PLMの存在なくしてIoTによる製造業のデジタル変革は成し得ない(2/3 ページ)
IoT技術を製品設計・開発に生かし、イノベーションを創出する
2つ目のステージが「差別化」である。ここでは、IoT技術を設計・開発のプロセスで活用することで、より良い製品づくり、イノベーション創出を図る段階となる。そして、これを実現する要素として「Digital Product Traceability」「Design for Connectivity」「Data Driven Design」「Collaborative AR/VR Design」が挙げられるという。
「スマートコネクテッドプロダクトの実現においては、Digital Product Traceability(トレーサビリティ)が欠かせない。製品のライフサイクル全体、要件定義から始まり、設計・開発、製品の出荷、製品の稼働状況に至るまでがつながり、そこからまた元に戻ってサイクルを回す。例えば、出荷後の製品の利用状況や稼働状況を設計にフィードバックして、製品のブラッシュアップや検討に生かすという流れである。Design for Connectivityは、スマートコネクテッドプロダクト/システムを実現するために、設計段階でセンサーの組み込みやアラート発信といった必要な機能の開発を検討することを意味する。そして、Data Driven Designである。これは実際に収集したデータに基づいて設計を行うことを指す。そして、このステージではAR/VR技術の活用、Collaborative AR/VR Designがある」とレン氏は説明する。
Collaborative AR/VR Designの具体例として、AR/VRを活用したデザインレビューがある。関係者を物理的に同じ場所に集めて1つのディスプレイ上でデザインレビューをするのではなく、タブレットやスマートフォン、スマートグラスなどのデバイスを使って、AR/VR技術で3Dのモックアップを疑似的に表示して、おのおのの場所からデザインレビューを行うというやり方を提案する。「AR/VR技術の活用は、デザインレビューのやり方をスマート化するだけでなく、サプライヤーとのコミュニケーションなどにも生かせるだろう。3Dモデルデータを第三者に渡すこともないので、知的財産の保護の観点からも有用な手段といえる」(レン氏)。
現在開発中のWindchillの次期バージョン(「Windchill 12」)では、こうした差別化ステージを実現可能にするための機能が盛り込まれる予定だという。具体的には、Windchill、「Integrity Lifecycle Manager」「Integrity Modeler」の3つの連携がより強化される他、「ColdLight」との機能統合も進められる。さらに、AR/VRを活用したレビュー機能の強化も予定されているとのことだ。
今と未来の製品改善とイノベーション創出のサイクルを回す
そして、デジタルエンジニアリングジャーニーの最後のステージが「新たな価値の提供」である。ここではIoT技術をさらに活用し、現在と未来の製品の継続的な改善とイノベーション創出のサイクルを回していき、シェアと収益を拡大させていくフェーズとなる。このステージを実現する要素としては、「Constant Analysis」「Predictive Performance Improvement」「Outcome-based Design」「Distributed AR/VR Product Review」「Digital Twin」が挙げられる。
「Constant Analysisは、継続的な製品データの分析・解析を意味し、実際に使用されているスマートコネクテッドプロダクトから得た情報を、自社の製品テストなどに組み込み、活用する動きである。Predictive Performance Improvementは、製品の稼働状況などのデータを基に、さまざまな情報を予測して性能や信頼性の向上に役立てる取り組みを指す。そしてOutcome-based Designは顧客の声に加えて、製品自身から得られる声(情報)を次世代に設計に役立てるということである。また、Distributed AR/VR Product ReviewはAR/VRを用いた製品レビューのさらなる活用を意味し、例えば宇宙や山岳地帯といった人が入り込めないような環境下でのレビューなどで、AR/VR技術を活用することを指す。最後のDigital Twinでは、製品のライフサイクル全体にわたり、製品を構成するモノのあらゆる情報をそっくりそのままデジタルの世界で再現・管理していくというものだ」とレン氏は説明。この中で、Digital Twin(デジタルツイン)に向けた機能として、現在「アセットの構成管理」の開発を進めているという。
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