シリーズ「モノづくりの現場から」(オムロン 綾部工場)
現場革新に主眼を置くオムロンが綾部工場で実践する「高度1~10m」の取り組み(2/3 ページ)
intelligent(知能化)
まず、intelligent(知能化)に関しては、「現場と事務所の融合」を掲げる。これは現場情報とスタッフ間をつなげる“あんどん”の仕組みを意味し、セーフティライトカーテンのモジュールを生産する現場では「環境あんどん」と呼ばれるシステムにより、生産活動と使用電力量の関係性を見える化し、それを次のアクション(設備の制御、最適化)につなげる活動が行われている。この取り組みを開始したことで、設備非稼働時の電力使用量を大幅に抑え、50%の電力削減に成功したという。
もう1つのintelligent(知能化)の取り組みは、「知能化するセルライン」だ。これは、各種センサーやPLCを活用したセルラインコントロールシステム(CLCS)により、生産情報、製品特性値、検査結果などを製品1個単位で収集、蓄積し、見える化を実現。さらに、リアルタイムな傾向管理を行うことにより、検出距離不良や成形不良の改善につなげる仕組みである。このシステムは、耐油近接センサーの組み立てラインで稼働しており、ステップ1:現場の見える化と正常/異常状態の検知、ステップ2:データ分析による原因特定、ステップ3:予知保全による設備故障の未然防止の実現に向けて、段階的な取り組みが行われている。
integrated(制御進化)
次がintegrated(制御進化)だ。多数のはんだ付け工程を有する綾部工場では、「匠(たくみ)の技の自動化」に取り組む。具体的には、スマートファイバーアンプの内蔵基板のはんだ付け工程において、はんだ付けロボットセルを活用している。数人しかいないとされる匠と呼ばれる熟練技術者の技能とノウハウをロボットで自動化することに成功し、18ポイントの微細(ピッチ1mm、ランド0.5mm)なはんだ付け作業(スライドはんだ工法)をロボットに行わせることで、精度33倍、スピード2倍を実現し、生産能力が25%向上。その結果、生産量を維持したまま、3つあったラインを2つに集約できたという。
interactive(人と機械の新たな協調)
そして、interactive(人と機械の新たな協調)では、「移動するロボットコンベヤーレス生産」に取り組み、ロボットが自らフロアマップを生成する同社のモバイルロボットを活用する。現在、センサーの生産フロアで2台のモバイルロボットが自動搬送を目的に稼働している。進捗(しんちょく)管理システムと連携し、生産完了した製品の積み込みと、出荷ゲートへの荷下ろしを実現している。モバイルロボットの上部には、綾部工場の生産技術課が設計・製作したオリコン(折り畳みコンテナ)の昇降機構が搭載されており、ステーションと呼ばれるエリアで人手を介することなく、オリコンの積み込み、荷下ろしを行える。モバイルロボット2台の稼働により、1日当たりオリコンを500~600個ほど運び、大幅な省人化を実現すると同時に、生産完了から出荷までのリードタイムを最大80%削減することに成功したという。今後は、他の生産フロアへの展開も予定する(関連記事:オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ)。
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シリーズ「モノづくりの現場から」
製造現場の見える化や生産ラインの完全自動化など、つながる工場/スマート工場の実現に関心が集まる中、国内製造業の現場では“今”どのような取り組みが行われているのか。国内工場を巡り、その実態に迫る。 ◎次のキーワードに興味・関心のある方にオススメ:[スマート工場][製造現場][生産ライン][自動化][製造業IoT][インダストリー4.0][カイゼン]
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