シリーズ「モノづくりの現場から」(オムロン 綾部工場)
現場革新に主眼を置くオムロンが綾部工場で実践する「高度1~10m」の取り組み(3/3 ページ)
IoT/AI技術を活用したさらなる知能化に向けて
これらの取り組みに加え、綾部工場では“さらなる知能化”の実現に向けて、IoTおよびAI技術を活用し、人と機械が互いに成長する現場、具体的には「止まらない設備」「性能を最大限に発揮する設備」「不良品を作らない設備」を目指す。そのうち、「止まらない設備」(定期保全から予知保全)の実現に向けた活動として、生産設備、機構部品の予知保全において、高度な知能化の実証を進めている。
その1つが、2018年7月発売のIoT液体流量センサー「E8FC」の活用だ。成形機および金型温度を維持するための冷却水の流量と温度を同時計測し、その情報を予知保全に生かす取り組みを始めている。従来の課題として、成形機の冷却装置の温度管理異常による稼働率の低下が挙げられる。冷却水が流れる配管や継ぎ手が何らかの原因でつまり、流量が低下することで温度管理異常が発生するケースがあり、成形機の停止ロスが月450分程度発生していたという。そこでオムロンは、流量と温度に着目し、両方を同時に測定できるセンサーを開発。同センサーを組み込んだ流量監視ユニットを新設することで、既存の成形機に手を加えることなく、各配管の流量と温度の見える化を実現した。停止ロスをなくし、将来的には一番適切なタイミングで設備保全が実施できる状態を目指す。
さらに、クリーンルームで稼働する投光モジュールアライメント装置の予知保全にも取り組む。これまで事後保全、定期保全を実施してきたが、突発的な故障や過剰保全により、さまざまなロスが発生していたという。そこで、同社のAIコントローラーにより、投光モジュールアライメント装置の状態を監視して、収集した各種情報(ビッグデータ)を基に見える化および分析を行い、熟練技術者でも発見できないような異常の予兆を検出し、予知保全の実現を図る。この仕組みにより、突発的な故障による設備停止時間の低減、過剰保全の適正化による各種ロスの削減が期待できるという。
今回紹介したオムロン 綾部工場は、The GEMBAの生産革新を実現する“i-Automation!”のモデル工場として位置付けられており、オムロン自らが“i-Automation!”による取り組みを実践することで、その効果を検証し、それをより良い形で顧客へ提供することを視野に入れている。
それを具現化したものの1つが“共創”型ビジネスモデルとして展開するIoTサービスプラットフォーム「i-BELT」である。オムロンはi-BELTの第1弾「設備の異常予兆分析サービス」に引き続き、現在第2弾サービスの準備も進めており、知能化の実現による新たな価値提供を、顧客との“共創”により加速させていきたい考えを示す。
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シリーズ「モノづくりの現場から」
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