ワイヤレス通信アセスメントサービス
操作端末のタブレット化が新たな侵入経路に!? ワイヤレス通信に潜む危険性(2/3 ページ)
無線システムの活用が進む工場に潜む、ワイヤレス通信のリスク
続いて、同社 サイバーセキュリティ研究所所長の神園雅紀氏が「サイバー攻撃の侵入経路として見落とされがちなワイヤレス通信の安全性」として、ワイヤレス通信のリスクと、ワイヤレス通信アセスメントの具体的な内容を紹介した。
ワイヤレス通信は現在、オフィスのWi-Fi、家庭内でのHEMS、工場、制御施設でもWi-FiやIoTカメラ、特定小電力無線などがある。このうち生産設備や生産状況の「見える化」が進む工場では、ネットワークにつながる無線タグやセンサーの導入、有線通信での配線コストや工場内の配置換えで発生するケーブル移設費用および作業時間の削減などを目的に、無線システムの導入が増えており、今後も増加するものと考えられている。
このワイヤレス通信に関しても、セキュリティインシデントやリスクが報告されており、2014年にはアジア太平洋地域の多数の高級ホテルでもWi-Fiネットワークが乗っ取られ、宿泊客の機密情報が窃取されるという事件が発生している。
また、同社への問い合わせが数多く寄せられているケースとして、PSK(Pre-Shared Key)認証方式を悪用した情報窃取による脅迫事件があるという。不満やネガティブな感情を持った社員がPSK方式の無線LANアクセスポイントへPCを接続。退職後、取得しておいたパスフレーズにより無線LANアクセスポイントへ侵入し、内部情報を窃取して脅迫行為を行ったというものだ。こうした脅迫にはTor(The Onion Router)などの秘匿通信なども利用されており、攻撃のテクニックがある意味“一般化”することで顕在化した事例といえる。
このWi-Fiにおける可用性を侵害する攻撃手法については、主にDoS攻撃や電波をかく乱および妨害するジャミング攻撃などがある。これらにより標的を通信不可能な状態に追いやるわけだ。また、Wi-Fiの機密性を侵害するものとしては、無線電波を盗聴し、暗号化を解読するなどして標的の通信内容を不正に取得するものや、正規のAPに成り済まして、標的を悪意ある環境に誘い込む攻撃も存在する。さらに、Wi-Fiにおける完全性を侵害するものとしては、他の端末や正規のAPに成り済まし、偽造した制御データフレームなどを注入するような攻撃手法がある。
同社では、Wi-Fiとともに特定小電力無線におけるワイヤレス通信セキュリティにも力を注いでいる。2017年、米国テキサス州ダラスで屋外警報サイレンがハッカーにより誤発報させられる事件が発生したことなどがその理由だ。この事件では、攻撃者がサイレンを制御している無線の信号を傍受し、同じ電波を再送信する「リプレイアタック」を仕掛けた可能性が考えられる。
この他、国内では自動車のドアを自動施錠できるスマートキーの弱点を突いた車上荒らしが発生。犯人グループは自動車から離れた運転者に近づき、キーが発する微弱な電波を特殊な装置で受信および増幅し、自動車の近くまで電波を中継することで鍵を開ける「リレーアタック」を仕掛けたと考えられる。
同社では、これらをワイヤレス通信の6大リスクとして種別し、その危険性を指摘している。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 製造業の制御情報系システムをサイバー攻撃から守る「ITセキュリティの力」
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