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ワークフロー図を作成し、設計だけでなく全社的な問題と課題を浮き彫りに設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(8)(1/3 ページ)

設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第8回では、「ワークフロー図」の作成についてさらに掘り下げていき、全社的な問題と課題の洗い出し、解決施策の展開に関して取り上げる。

» 2017年05月10日 09時00分 公開

 前回「3D CAD導入による『効果』を実感できるのはいつか?」では、3D CAD推進による成果の実感とその指標について解説しました。プロジェクトを開始する前に、どのような指標をステークホルダーに示していくかが重要な検討事項だと筆者は考えます。

 指標を示す上で、最も重要なステークホルダーは経営層(経営者、部門長)です。また、その指標は導入現場が実感できるものである必要があります。しかし、ステークホルダーが期待する3D CAD推進による効果を短期的に示すことは容易ではありません。

 これは筆者の失敗談なのですが、あるとき、ISOの品質管理計画書の中で3D CADの稼働率を目標に定め、月次で総設計者数に対する3D CAD利用者数の比率を実績書で報告することにしたのです。しかし、結果的に月次での稼働率は増えておらず、ISO維持審査の際に審査官から「稼働率を増やそうと考えるのであれば、シンプルに月次でのCAD利用者数の増員を目標に定めて、それを月次の実績として報告すべきだ」と指摘を受けてしまいました。このことから、プロジェクト推進には分かりやすい指標、評価しやすい指標を立てて、上長や経営層に見せるテクニックが必要だということを学びました。

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これまで見えていなかった問題と課題を浮き彫りにする

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