ラプラス・システムが太陽光発電システムシミュレーションソフトウェア「Solar Pro」を約50%値下げ。また新機能として需要が拡大しているソーラーシェアリングへの対応や、より簡単に設計・シミュレーションを行える機能を追加した。
科学技術系ソフトウェア開発のラプラス・システム(京都市)は、同社の太陽光発電システムシミュレーションソフトウェア「Solar Pro」を約50%値下げした。また同製品の価格改定に合わせて、このところ需要が拡大しているソーラーシェアリングに対応するとともに、より簡単に設計・シミュレーションを行える機能を追加した新バージョンをリリースし、さらなるユーザーの拡大を目指す。
Solar Proは1997年に発売。太陽光発電モジュール1枚1枚の日射や影の影響、各種パネルの特性や気象条件などが考慮された瞬時値の積算により、発電電力量計算を行う。さらに近年問題となっている反射光の影響についても季節や時間帯を考慮した上で、周囲への影響をシミュレーションすることが可能だ。
いわゆる改正FIT法により事業計画の作成・提出が必須となり、発電量および、反射光による周辺環境への影響をシミュレーションするなどの需要が今後高まるものと予想されている。そのため、より幅広く利用してもらえるように今回、Solar Proを値下げした。併せて性能評価や周辺環境への影響調査など、学術的用途に向けたアカデミック版を新たにラインアップすることで、教育機関への利用促進も図る。
新バージョンはアレイの設置方位角やパネルの角度、アレイ間の距離を変化させながらシミュレーションすることで、年間・日間の発電量が最大となる設計を効率的に導き出す。また、影や反射光のシミュレーション結果を画像や動画で出力でき、これらはPCやスマートフォン、タブレットで閲覧できるため、説明資料などに利用することが可能だ。
2013年4月から営農をしながら太陽光発電を行うソーラーシェアリングが認められ、現在までに約800件の認定件数がある。今後、さらにソーラーシェアリングの普及が進むことが予想されるため、発電設備の下の日射量をシミュレーションできる機能を搭載した。事前にシミュレーションすることで作物に合わせた日射量の調整ができる。また、ソーラーシェアリングの申請に必要な遮光率の計算もでき、導入までの手間を軽減する。
同社では今後、太陽光発電監視システム「Solar Link ARCH」と連携し、故障診断機能の開発を進める予定だ。同機能により、いち早く異常やトラブルに気付き、機会損失を最低限に抑えることにつながる。
ラプラス・システムは創業26年。太陽光発電システムをはじめとする自然エネルギーの計測、表示、シミュレーションが行えるシステムの開発に取り組んでいる。
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