戦略コンサルティング企業が発信する論考や調査レポートから、モノづくり業界の皆さんに示唆をもたらす記事を紹介する連載の第2回。今回は、ボストン コンサルティングが提言する「ハードウェアメーカーがソフトウェアの世界で成功する方法」をピックアップ。その“5つのキーポイント”を読み解きます。
われわれはハードウェアメーカーではない。ソリューションプロバイダーである!
製造業界でこのようなメッセージを社内外に打ち出す企業が現れたのは、決して最近のことではありません。筆者の記憶にある限り、20年ほども前からそうした企業はありました。筆者が知らないだけで、もっと以前から存在していた可能性もあります。
「ソリューション」はもともと物理的な製品を持たないITシステムやソフトウェアの業界で好んで使われていた用語だと理解していますが、やがて製造業界でも
われわれの価値は、突き詰めると、ハードウェアとしての製品それ自体を提供することではない。それを介してお客さまの課題を解決すること、すなわちソリューションである
という考え方が生まれたのでしょう。
しかし、そのように唱えつつも、これまで長らく、ハードウェアメーカーが顧客に提供するのは物理的な製品でした。例えば半導体チップメーカーの「○○ソリューション」は、「○○というアプリケーションに必要な機能を実現するチップ群とミドルウェアをまとめて提供する」ものです。ソリューションの構成要素にソフトウェアも含まれてはいますが、それ自体が売り物というわけではありませんでした。あくまでも売り物はチップであり、それを買ってもらうために必要な周辺要素としてソフトウェアを用意したというのが実情に近い表現でしょう。
しかしここにきて、ハードウェアメーカーを取り巻くビジネス環境に大きな変化が訪れています。
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