ウシオ電機は、レーザーダイオード(LD)からの光を直接利用した、可視化照明用シートビームレーザーを発売した。
ウシオ電機は2016年5月、レーザーダイオード(LD)からの光を直接利用した、可視化照明用シートビームレーザーを発売した。LDの光を直接使用することで、レーザーヘッド部/ドライバ部分を小型化し、消費電力を低減している。
シートビームレーザーは、光学系技術を用いてレーザーを薄い膜状にしたもので、流体の断面を可視化するために使われている。流体の速度分布を解析する手法には、粒子イメージ流速計測法(Particle Image Velocimetry:PIV)、粒子追跡流速計測法(Particle Tracking Velocimetory:PTV)がある。PIV/PTVは、輸送機器や半導体製造装置、医療機器などで用いられる流体解析の手法である。
PIV/PTVで使用されるDPSS(Diode Pumped Solid State)レーザーは、光をシート状に出力しやすいものの、発光効率が約10%と低く、複数の素子とそのアライメントが必要で、レーザー自体が高額になるなどの課題があったという。
同社では、イメージングや医療向けの可視域高出力LDと、レンズやミラーなどの40年以上培った光学系技術を組み合わせることで、LDの光を直接利用したシートビームレーザーを開発に成功した。LDの光を直接使用するため、PIV/PTVに必要な5W出力を可能とし、発光効率をDPSSレーザーの約3倍に向上させた。
レンズ取付部はCマウントで、レンズ交換が可能な構造を採用。計測対象により、シート開き角や合焦ポイントを変更できる。
レーザーヘッド部には、計測中の粉じん侵入を防ぐフィルターを装備し、LD部分をシール構造にすることで、防塵(ぼうじん)性能を高めたとしている。
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