大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
本格離陸はまだ遠い? 光電融合技術の最新動向を解説(4/4 ページ)
モジュール同士の接続にCPOを使う
ここで分かるのは、IntelもBroadcomも、Module同士の接続にCPOを利用してOpticalでの接続は考えていても、一つのModuleの中のChiplet同士の接続にOpticalを使うというのは、現時点のロードマップでは想定していない事だろうか。現状を考えれば極めて賢明な判断だとは思うが。
余談だが、2024年6月にTSMCが「2024 Japan Technology Symposium」の開催に併せて行った記者説明会で示された「3D OE(Optical Engine)」に関する動向が図8だ。まずはTransceiver Moduleに導入し、次がNetwork Switch、最後がXPU向けとなっていることや、EICとPICを積み重ねる構造になっているあたりが、IntelやBroadcomのロードマップと非常に重なっている事が分かる。同社はCOUPE(COmpact Universal Photonic Engine)を2022年頃から発表しており(関連記事:「低損失の高速光電変換ユニット「COUPE」の概念」)、2025年にやっと実用に達する事がアナウンスされた格好だ。CPOの現状は大体こんなところであり、ある企業が主張する「2032年までにパッケージ内を光化する」のは、これを見る限り正直厳しい気がするのだが、どうなのだろう?
最後に余談をもう一つ。Hot Interconnectsの方では、ことしもArista NetworksのAndy Bechtolsheim博士による招待講演("Can Interconnects Keep up with AI? YES.")が行われた。今回の講演内容は、「IBM Power 775」(世界で最初にCPOを利用したシステム:2010年発表)を引き合いに出しながら現状の問題と動向、将来の方向性などを示すものであった。その中のスライドの1枚が図9。実はもう光信号の方も、1レーンあたり200Gbps辺りで結構頭打ちになっている。これはさまざまな要因があり、いわゆるVCSELは100Gbpsあたりで能力の限界に達しているため、200GbpsではEML(IElectro-absorption Modulator Laser)かMZM(Mach-Zehnder Modulators)が有望視されているが、現状ではまだ200Gbpsがやっとというあたり。
先のIntelのロードマップ(図3)でも224GBaud止まりになっているのはこのあたりを反映したものであるが、その先は? という問いに対するBechtolsheim先生の返事がこれな訳だ。Opticsの448G PAM4はともかく、Electricalの448G PAM6は正直どうかと思う。Opticalの方も茨の道であって、当面は速度を上げるよりWDMで多重化を増やす方向に行きそうだ。実は長距離の高速Ethernetでは最近Coherent伝送に次第にシフトしつつある(OIF 400ZRとか800ZR/ZR+などが注目されつつある)が、さすがにCPOでCoherentを導入するという話は今のところ全く聞かない。回路規模的に、CPOに収まりきらないためではないかと思う。
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