大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
RISC-Vの未来はバラ色か? 現状と今後(2/3 ページ)
加えて、RISC-V Day Tokyoのセッションの中で
- ベトナムでVanguardというRISC-V SoCプロジェクトが進行中
- 理研が2019年11月に発表した、MDGRAPE-4A(RISC-Vベースの分子シミュレーション専用機)の詳細が公開
- ImaginationがGPUの中のFirmware ProcessorをRISC-Vに置き換え(写真2)
- GigaDeviceがRISC-VベースMCUのロードマップを公開(写真3)
といった具合だ。2020年10月にはこんなニュースも流れたが、おおむねRISC-Vは順調に組み込み向け市場に浸透し始めている、と考えてよいだろう。
皮肉な話であるが、RISC-Vがこのところ急に活発になっているのは、NVIDIAによるArm買収の話が出てきたからである。RISC-Vは命令セットに妙な紐が付くことはないし、命令セットそのものは無償で公開されている。そして実際にIPが複数のベンダーから、それも多数に登場しており、そして実際にRISC-Vを搭載した最終製品もぼちぼち出始める様になった(まあ「RISC-V搭載はんだごて」はちょっとアレだが)。これは特に自社でASICやASSPを開発している企業にとっては大きな事で、「CPUコアの供給をArmに頼っていると、仮にNVIDIAの買収が成功した後でどういう方向に行くか見えない」という危機感を覚えるのは当然の事である。もちろん何もなく現在と同じように使い続けて問題ないという状況が続く可能性はあるが、保険として「その他のCPUコア」を考慮するのは自然なことだろう。ちょっと前だと、こういう状況ではCandece傘下のTensilicaのXtensaとか、Synopsys傘下のARCとか、もう少し処理性能が必要だとAndes TechnologyのN13とか、もしくはMIPSという選択肢が普通だった。ところが今ではRISC-Vが有力な選択肢になった形だ。
もちろん複数のメーカーからIPが提供されているというのは、ある種選択や評価にコストや時間が掛かるという部分はあるし、IPのQualityとか不具合の多さなどももちろんメーカーによって大きく異なるだろうから、そのままパッと入れ替える事は無理にしても、今後Armコアを使い続ける事が難しくなった時の代替策として有力なIPを今のうちに絞り込んでおく、といった事を多くのベンダーが始める様になっている。ルネサスがRISC-Vを採用、というのはまさにこの流れで考えると分かりやすい。ルネサスは自社で使う分だけでなく、顧客に対してASICのデザインサービスなども行っているが、ここで顧客が“Arm以外のコアを”という要望を出してきた場合のソリューションがAndesCoreベースのRISC-Vという訳だ。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
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