大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
RISC-Vの未来はバラ色か? 現状と今後(3/3 ページ)
そのRISC-Vであるが、最近のRISC-Vは組み込み向けに必要な性能を持つコアは十分にそろってきた事もあって、今後はサーバ向けを拡充していくとしている。実際昨年にはRISC-Vベースのサーバシステムの構築に向けたOpenHW Groupが立ち上がっている。もっとも、これは今年とか来年というレベルの話ではない。RISC-V Dayでもこの話題は何度か出てきたが、数年(5年~10年)は掛かるというのがおおむね共通した認識である。実際Armですら10年掛けて、やっとIntelやAMDと同じ土俵に上がってきた訳で、RISC-Vもそのくらい時間が掛かるという認識は間違っていないと思う。
ではRISC-Vの未来はバラ色か? というと、そこまで明るくもない、というのが筆者の見解である。ガートナーのハイプサイクルで言えば、現在は黎明期を超えて流行期に入っている。まだ流行期のピークまで達してはいないと思うが、そう遠くない時期にピークアウトして、そこから幻滅期に突入するだろう。ここでどのくらいのメンバー企業がRISC-Vから離れていくかというのは当然筆者も読めないのだが、時期的に言えばピークアウトするのが2021年、回復期に入るのは2023年とかではないかと思う。この幻滅期に、どれだけの企業をつなぎ止めておけるか、がRISC-V International CEOのCalista Redmond氏の手腕の見せ所だろう。Armもこのところ矢継ぎ早に、明らかにRISC-V対策と思しき手を次々に売っている。2020年11月18日に発表されたRoadmap Guaranteeなどはもう狙い撃ちという感じである。ただNVIDIAによる買収を嫌うパートナーが確実に存在することが同社の弱点であり、これをうまくRISC-V陣営に取り込めるかどうかが、どの程度幻滅期のインパクトがあるかに直結することになる。
そうした意味でも2021年のRISC-V陣営の動向は非常に気になるところだ。Armの動向と合わせて、目が離せないところである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:「PCIM 2026」で見たパワー半導体最前線――電子版2026年10月号
-
2
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
3
スマート工場動向調査2026
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
AIエージェントで製造業の暗黙知を継承、熟練者の思考を再現する保全強化策
-
6
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
7
DMG森精機の欧州深耕
-
8
高精度テクノロジーの学習モジュール 「高精度ADC 基礎編・上級編」
-
9
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
-
10
太陽光発電と蓄電池を最適制御、再エネ活用とコスト削減を両立する製品とは?
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー