PTCジャパン主催 IoT/AR勉強会
IoT活用のための5つのステップを一気通貫で! 「ThingWorx」の利点とは(2/3 ページ)
ステップ3:未来の予測と存在しないデータも「加えて」提供
続いて「加える」の観点から、山田氏はIoTに関連するデータの種類について解説。工場の生産設備や機器から集められるデータは基本的には“現在データ(今どのような状況にあるか)”であり、それがデータベースに蓄えられると“過去データ”になる。このようにIoTデータの特徴の1つは時系列データであり、「伝統的なIoTの取り組みでは、現在データと過去データを活用してきた。しかし、今多くの顧客はこれらに加えて“未来の予測データ”と“存在しないデータ(仮想データ)”に関心を寄せている」(山田氏)という。
未来の予測データについては、近年、AI(機械学習)の発展により、過去データと現在データから作り出すことが可能になり、ThingWorxにおいても解析エンジンにデータを渡すことで、未来の予測データをはじき出して、それをアプリケーションで活用するという機能が備わっている。一方、センサーなどでは簡単に取得できないような情報(存在しないデータ)については、外部のシミュレーション技術(例えばANSYS)や3D CADの「Creo」などを活用することで求めることができ、その結果を取り込んで活用する機能をThingWorxは持っている。
以上のことから、「ThingWorxでは、現在データ、過去データ、未来の予測データ、存在しないデータ(仮想データ)の4つを活用したIoTアプリケーションを開発することができる」と山田氏は説明する。
ステップ4:モノ(Thing)と業務アプリを「結んで」気付きにつなげる
また、生産設備やデバイスからのセンサーデータと業務アプリケーションとを結び付けて(「結ぶ」)、新たな洞察を得たいといったニーズもある。
「ThingWorxの“Thing”は、モノ(デバイス)だけではなく、人や業務アプリケーション、外部サービスも含んでいる。従って、システム間の連携を支援する機能を備えている。例えば、生産ラインの設備とMESのデータを連携させることで、今日の生産計画に対して、“リアルタイムに”今何%くらい生産が完了しているか? といったことを容易に取得できる」(山田氏)という。
ステップ5:ディスプレイだけではなく、AR空間でもデータを「使う」
ここまできて、いよいよIoTデータを本格的に活用できる(「使う」)。ThingWorxは、そのためのアプリケーション開発の作りやすさの面で、顧客から高く評価されているとのことで、「専門家やプログラマーが時間をかけてIoTアプリケーションを開発する必要はなく、プログラミングの専門知識のない人でもマウス操作だけで簡単にIoTアプリケーションを開発できる。これを『ラピッド開発』などと呼ぶが、簡単なものであれば、本当にプログラミングレスで作れてしまう」(山田氏)。
では、どのようなアプリケーションを開発できるのか。1つはWebブラウザで動作するアプリケーション。こちらはThingWorxが担う。もう1つはAR向けのアプリケーションで、こちらは「Vuforia Studio」によって開発することが可能だ。
このようにPTCは、ThingWorxとVuforiaの組み合わせにより、工場やデバイスのデータを取得するところから、ARアプリケーションでそのデータを消費するところまでを一気通貫で提供する。これが同社のIoT/AR戦略であり、他にはない強みだとする。特に最近はAR活用のニーズが高まっており、工場では生産ラインの品質向上や作業者の安全管理、スマート行灯(あんどん)といった利用に関心を示しているという。
「以上の通り、ThingWorxはIoTに必要な、集めて、調えて(整えて)、加えて、結んで、使うという5つのステップをトータルに提供する。われわれは、これら全てをThingWorxに置き換えてほしいと思っているわけではない。一部が既に実現しているのであれば、足りていない部分でぜひThingWorxを活用してもらいたい。これまではIoTの仕組みを『どう作るか』に時間とコストを投入してきたと思うが、つながることは当たり前のことで、本来の『IoTで何をやるか』の部分に集中すべきである。ThingWorxであればそのことに集中できる」(山田氏)
また、IoTやARのアプリケーションはいかに早く作って、試すかが大切であるという。「一般的なアプリケーション開発であれば外部に開発を委託し、要件定義から完成まで多くの時間が必要となるが、ThingWorxであれば非常に早く実現できる。最速の国内事例では、約2週間でIoTアプリケーションを開発して本番適用したというものもある。当然内容にもよるが、基本的には従来の開発期間よりも10倍早く、工数も6分の1程度で済む感覚で、効率的にアプリケーション開発を進めていただけるはずだ」と山田氏は説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業戦略(製造IT)
製造業向けITツールやソリューション、サービスを展開する主要企業の取り組み、事業戦略をピックアップ。業界・企業動向の情報収集にぜひご活用ください。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー