PTC ThingWorx/Vuforia
「ThingWorx」はインダストリアルイノベーション基盤へ、IoT×ARがもたらす世界(1/2 ページ)
米PTC社長兼CEOのジェームス・E・ヘプルマン氏が都内で記者説明会を開き、同社の産業向けIoTプラットフォーム「ThingWorx」とAR開発プラットフォーム「Vuforia」による、“フィジカルとデジタルの融合”の意義と実例について紹介した。
PTCジャパンは2017年11月9日に同社で記者説明会を開催、米PTC社長兼CEOであるジェームス・E・ヘプルマン氏は、産業向けIoTプラットフォーム「ThingWorx」とAR(拡張現実)開発プラットフォーム「Vuforia」の組み合わせによって、現実世界(フィジカル)とデジタル情報を有機的に融合させることができるとして、製品開発から製造運用、物流、マーケティング、人材教育に至るまで多くの事例を紹介した。
◎「製造業のAR/VR活用」関連記事 ~導入事例、メリット、課題、動向~ など:
» 「ゲンバ」がAR普及を加速させる、2018年から急加速
» 「VRから目が離せない」トヨタの語る3Dデータ活用事例
» IoT、3Dプリンタ、ARを設計業務で手軽に活用できる「Creo」がもたらす未来
» 9兆円市場に成長するVR、「本命」用途へ足りない要素
近年PTCが掲げているテーマ「フィジカルとデジタルの融合」の重要性について、ヘプルマン氏はこう説明する。2Dのディスプレイから提供されるデジタル情報は増加の一途(いっと)をたどっており、人間がそれら膨大な情報を理解し3Dの現実世界に変換するための労力は、大きな負荷となって他のタスクに使うべき能力をそいでしまっているという。例えばカーナビゲーションが交差点を曲がる指示を出したとき、ドライバーは画面を現実世界に置き換えて曲がる位置を判断するが、これは判断ミスや安全性のリスクとなり得る。ドライバーの視界に、AR技術によって直接デジタル情報を重ねることができれば、ミスを減らし対応力の向上が図れるというわけだ。
PTCが注目するARの機能は大きく3つある。現実世界では見えないモノの可視化、他の人間からの指示や作業マニュアルなどを分かりやすく見せる作業指示、現実の製品の操作をハードウェアのボタンやキーボードなどを使わずに仮想ユーザーインタフェースで行う双方向性だ。さらにVRが加わると、現実の距離や時間、大きさなどの制限を超えたシミュレーションまで可能になる。
これら全てを実現するのがThingWorxとVuforiaの両プラットフォームであるが、当初PTCではThingWorx/Vuforiaは製造現場やアフターサービスの分野で使われる機会が多いとみていた。ところが、ThingWorx/Vuforiaの顧客107社を対象に利用シーンに関するアンケート調査を実施したところ、製造現場やアフターサービスはもちろんのこと、製品開発やセールスマーケティング、教育分野など、バリューチェーンのほぼ全ての場面で広く使われていたことに驚いたという。
フィジカルとデジタルの融合事例(前編)
ヘプルマン氏が紹介した多くの事例から、以下にモノづくりに関係が深いものをいくつか紹介する。
Caterpillar(キャタピラー)はエンジニアへの作業指示やガイダンスにThingWorx/Vuforiaを活用。「Microsoft HoloLens」を装着したエンジニアは、IoTで得られたフィルターのモニタリングデータから、問題がフィルターにあることを理解し、フィルターの交換方法の3Dマニュアルを表示させて、交換作業の手順を知ることができる。Caterpillarはこれまで採掘現場とネットワークにつなぐことで瞬時の判断を可能にしたが、次は人間と製品をつないでいくという。
マサチューセッツ工科大学(MIT)が研究している「Reality Editor」は、ARによって現実世界のモノ(例えばダイヤルやボタン)をプログラミングして新たな機能を加えることができる。スマートフォン(以下、スマホ)をクルマのダッシュボードのボタンにかざしてその場でARプログラミングすることで、スマホによってウィンドウの開け閉めができるようになった。
Ford(フォード)はクルマのデザイン変更の際、実物大のクレイモデルを作る従来の方法から、現在の実車の上にARで新しいデザインを重ね合わせて検討する方法を取り入れ、デザインの変更作業を数週間から数日に短縮した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業戦略(製造IT)
製造業向けITツールやソリューション、サービスを展開する主要企業の取り組み、事業戦略をピックアップ。業界・企業動向の情報収集にぜひご活用ください。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー