PTCジャパン Creo 4.0
IoT、3Dプリンタ、ARを設計業務で手軽に活用できる「Creo」がもたらす未来
フィジカルとデジタルの融合をテーマに、「Creo 4.0」で実装済みの機能および間もなく提供される新機能について、米PTC CADセグメント シニアバイスプレジデントのブライアン・トンプソン氏が説明。さらに3Dプリンタ連携機能の一環として着手し始めている「トポロジー最適化」についても言及した。
PTCジャパンは2017年4月13日、同社の3次元設計ソリューション「Creo 4.0」が実現する“フィジカルとデジタルの融合”をテーマに、Creo 4.0で実装済みの機能および間もなく提供される新機能について説明を行った。
長年にわたり、3D CADを中心とした製品設計を実現するためのツール提供および技術開発を行ってきたPTC。同社は、ここ最近のデジタルとフィジカルの融合がもたらす新しい価値への期待の高まりを受け、これらに対する投資および開発にも力を入れている。そうした中、同社が特に注目しているのが「IoT(Internet of Things)」「3Dプリンティング(付加製造)」「AR/VR」であるという。
米PTC CADセグメント シニアバイスプレジデントのブライアン・トンプソン氏は「実製品(モノ)のデータと製品設計データを結び付けることで生まれる価値、単なる試作ではなく製造手段としての3Dプリンタの可能性、そしてデジタル(CAD)データをフィジカルの世界に融合させるAR/VR技術は、これまでのモノづくりの在り方を変革し、新たな価値の創出を後押しすることになるだろう」と語る。
⇒ IoTを設計に活用するためのキーワード「デジタルツイン」とは
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コネクティビティ設計を実現する新製品「Creo Product Insight」
IoTに関しては、2014年1月に買収したIoTプラットフォーム「ThingWorx」を提供することで、例えば、現実世界で既に稼働している製品の状態を収集して、それを製造プロセスやサービスの改善に役立てるといった世界を実現可能にしている。そして、「そうした価値は、設計でも見いだせる」とトンプソン氏は説明する。
具体的には、現実世界の製品に搭載されたセンサーからのデータをThingWorx経由でCreoに取り込んで製品設計に役立てたり、Creo上に配置した仮想的なセンサーによる算出結果を現実世界の製品にフィードバックして最適な制御を実現したりできるようになるという。このデジタルの製品(CAD上の設計データ)とフィジカルの製品(実製品)のシームレスな融合による「コネクティビティ設計」の実現により、「新製品開発の設計を加速させたり、現実の情報とシミュレーション技術により発生し得る問題や課題を把握したり、さらには次世代製品設計をより効果的に行ったりすることが可能になる」(トンプソン氏)。こうしたコネクティビティ設計を実現する新製品として、同社は「Creo Product Insight」を2017年6月ごろにリリースし、次のメンテナンスリリース版「Creo 4.0 M020」に搭載する計画だという。
製造手段としての3Dプリンタ活用を強化――協業戦略、トポロジー最適化
Creo 4.0から3Dプリンティング関連機能も強化している。「われわれは、軽量化やコスト削減、従来の製造方式に捉われない柔軟な形状設計、そしてさまざまな素材による製造を可能にする3Dプリンタの可能性に着目している。それも単なる試作評価での活用ではなく、新たな製造手段の1つとして3Dプリンタを重視しており、Creoの中でスムーズに3Dプリンティングによる製造を実現できるよう機能強化やパートナー企業との協業を進めている」とトンプソン氏は説明する。通常、3Dプリンタを最終製品やパーツなどの製造に活用しようとした場合、3Dモデルの設計から形状の最適化、解析、造形確認などを複数回繰り返し、精度や品質を上げていく必要がある。同社はこうした従来の3Dプリント製造のワークフローを簡素化する取り組みに注力しているのだ。
既にCreo 4.0では、設計要件に応じて、2.5D/3Dの格子形状(ラティス形状)を自動生成する機能が搭載されている他、Stratasysおよび3D Systemsと協業を行い、彼らの3Dプリンティング技術に関するナレッジの共有、3Dプリンタ向けドライバの提供などを受けているという。「引き続き、Creoと3Dプリント製造のシームレスな連携を強化していくために研究開発と投資、パートナーシップの拡大を継続していく。近い将来、Creoからi.materialiseの3Dプリントサービスをダイレクトに利用できるようになる。加えて、形状最適化の先の取り組みとして『トポロジー最適化』機能の検討も進めている。既存の設計プロセスを乱すことなく製品製造に活用できるトポロジー最適化機能をCreoの中で使えるように、投資および開発の目を向けているところだ」とトンプソン氏は明かした。
AR活用がより身近に、CreoからARマーカーを生成できる機能
AR/VR技術の活用に関してもCreo 4.0の段階で強化されており、同社のARソリューション「ThingWorx Studio(旧:Vuforia Studio)」に直接データを出力できる機能を備えている。そして、現在提供されているメンテナンスリリース版「Creo 4.0 M010」では、AR技術をより手軽に活用できるものとして、Creo上で設計した3Dモデルに対応したARマーカー「ThingMark」を生成、共有できる拡張機能が提供されている。Creo上でARマーカーの位置や向きを微調整したり、AR表示する際のスケールなどを変更したりできる。
「Creoに『拡張現実』のメニューが追加され、ThingMarkの追加やPTCのクラウドサーバへのアップロード、共有、印刷(PDF化)などが行える。この機能はCreoのベーシックパックに含まれており、無償で利用できる。今回のAR機能の提供により、設計領域におけるAR活用が加速され、デザインレビューの在り方が大きく変わるだろう」と、PTCジャパン 製品事業部 CADセグメント ディレクターの芸林盾氏は説明。「iPad」にインストールされたアプリ「ThingWorx View」を用いて、PDF化されたThingMarkを読み取り、電気ポットの3DモデルがAR表示されるデモンストレーションを披露した。
同社は今後も製品設計・開発におけるAR技術の活用に注力していくとし、あらゆるデータを有効利用できるThingWorxを軸に、AR機能のさらなる高度化を図っていく考えを示した。
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