設計者CAEは普通の解析と何が違う?(12)
あらためて「解析とは何か?」を考える ~悩み尽きぬCAE担当者の心情~(1/2 ページ)
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第12回では、「解析(CAE)とは何か?」についておさらいすると同時に、「メッシュ」について解説します。
解析(CAE)とは何か?
前回は、
実物から問題の原因を発見せよ! CAEは問題発見を助けるものである
というお話をしました。
「不具合再現解析」も原因究明に悩む設計・製造現場にとってみれば、“救いの手”になることがあります。設計者CAE担当者とすれば、もっと開発的な解析を行いたいところではありますが、現場支援も重要です。
まずは「解析(CAE)とは何か?」について、もう一度おさらいしましょう。
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構造解析とは?
CAEは、既知の情報(入力データ)をインプットすることで、未知の情報(出力データ)を得ることが可能です。
既知のデータとは、3D CADで作成されたモデルを作る形状データ(ジオメトリ)であり、「どのような大きさの荷重をどこに設定するのか」「モデルはどのように拘束されるのか」「モデルの材質は何なのか」を決めることで、材料の持つ材料特性が決まります。
これらを入力することでメッシュが作成され、有限要素法による計算によって、未知の情報となる「変形量」「応力」「歪み(ひずみ)」が求められ、これらより安全率も求めることができます。
熱流体解析はもちろんのこと、現在、話題となりその活用が注目されている「トポロジー最適化」「トポロジースタディー」、HiramekiWorks(構造計画研究所)のような「形状最適化」も、既知情報に基づき、未知情報としてジオメトリを求めています。
インプットを誤ったらどうなるのか?
既知情報を意図的に操作してしまったら、または誤って入力してしまったら、一体何が起こるのでしょうか?
ヤング率は「変形しやすさ」「変形しにくさ」を表しています。例えば、実態よりも大きな数値を入れれば「変形しにくく」なり、逆に小さな値を入れれば「変形しやすく」なります。
もし、顧客への説明のために、この数値を意図的に操作してしまうと……それは「偽装」行為に当たります。このようなCAE作業が生じていないことを期待します。
また仮に、入力間違いを起こした場合は、製品に重大な問題が生じる可能性があります。「CAEの結果は、大丈夫だったはずだぞ!?」とCAE担当者に責任の矛先が向いてしまうかもしれません。ツールといっても操作は人が行うものなので、やはりその結果を見て「これは何かおかしいぞ?」と判断できるかどうかが重要です。
CAE担当者の悩みは尽きない
社内でのCAE運用率が高まると、CAEの対象は、部品単体の強度解析のようなものから、アセンブリに変わり、そのアセンブリを構成するパーツ数も増えていきます。
そして、またCAE担当者は悩みます。
- パーツ間の接触定義を考慮しないと、解析精度は望めない(精度が上がらない)
- 接触定義が多くなり、解析が中断してしまう
- 変形量が大きくなり、解析中に大変形オプション(SOLIDWORKS Simulationの場合)を要求される。恐らく解析精度は高くないだろう……
- 一般的な金属材料以外の材料、例えばカーボンや弾性体の材料は難しいだろう
- 計算時間が長くて待てない
- 計算終了を待っていたが計算が収束しない
- もっと高度な解析を行いたい
- これまでできなかった要求の解析もできるようになりたい
- 並列計算を行い、計算時間を短縮したい
航空機産業や自動車産業、高度な半導体製造装置や産業機械では、このような課題をクリアするようなハイエンドのシミュレーションシステムによるCAEを行っています。設計開発段階の要求の高度化、解析精度の向上を推し進める上では、こうした方向に進むことは自然なのかもしれません。
しかし、筆者の場合、既存のミッドレンジのシミュレーションシステムを100%使いこなしているのかといえば、そうとは言い切れません。新たなテーマによっては、学ぶべきものが多くあります。
「まだまだ理解が足りない、でも今のシステムでは解けない」――。筆者はそんなジレンマに陥っていました。設計者CAEを実践されている、まだハイエンドなものを使ったことのない担当者の皆さんはいかがでしょうか?
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設計者CAEは普通の解析と何が違う?
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。本連載では、設計者CAEがもたらすメリットや実際に導入していく上での注意点を、現場目線でご紹介します。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[CAE][設計者CAE][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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