PTCがCAD事業の好調をアピール
トポロジー最適化やCFDが完全統合された「Creo 5.0」(1/2 ページ)
PTCジャパンは、ハイエンド3D CAD「Creo」の最新バージョンである「Creo 5.0」に関する製品説明会を開催。来日した米PTC CADセグメント担当 シニアバイスプレジデントのブライアン・トンプソン氏が、Creo 5.0の新機能について説明した。
PTCジャパンは2018年5月17日、同年3月にローンチされたばかりのハイエンド3D CAD「Creo」の最新バージョンである「Creo 5.0」に関する製品説明会を開催。同社CAD事業の成長、前バージョン「Creo 4.0」の発表以降に追加された機能、そしてCreo 5.0に搭載された新機能について、来日した米PTC CADセグメント担当 シニアバイスプレジデントのブライアン・トンプソン氏が説明した。
⇒ 参考:「失われつつある“設計力”を回復できる職人気質の3D CAD『Creo』」
グローバルでのCADビジネス市場の成長率が5%程度といわれている中、PTCは2016年度で対前年比12%成長、2017年度で同13%成長を遂げており、2018年度も非常に好調な滑り出しだという。
その好調を支えているのが、同社が提唱してきた「フィジカルとデジタルの融合」に基づく市場変化、顧客価値の変化であり、PTCは現実世界と仮想世界の橋渡しを担う「IoT(Internet of Things)」「AR/VR」「付加製造(アディティブマニュファクチャリング:AM)」といった領域に対する製品/ソリューション展開、あるいはパートナーシップの強化に努めてきた。
IoTに関しては2014年に「ThingWorx」を買収、翌2015年にはAR開発プラットフォーム「Vuforia」を手中に収め、さらにAMに関しては技術開発への投資とパートナーとの協業を進めてきたという。「こうした取り組みによって強いポジションを確立でき、それがCAD(Creo)の好調も支えている。このような環境を持つのはPTCだけで、他社CADと比較した場合の大きな差別化要素となっている」(トンプソン氏)
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フィジカルとデジタルをつなげる「AR」「IoT」に関する強化
続いて、トンプソン氏は前バージョンのCreo 4.0の発表以降に追加された機能として、ARとIoT(デジタルツイン)に関する強化ポイントを紹介した。これらは特に多くの時間を割いて開発を進めてきた領域だという。
ARコンテンツの生成や共有、管理がこれまで以上に容易に
これまでもCreo環境から同社のARソリューション「ThingWorx Studio(旧:Vuforia Studio)」に直接データを出力できる機能は備わっていたが、メンテナンスリリース版「Creo 4.0 M040」およびCreo 5.0では、従来必要だったARマーカー「ThingMark」が不要となり、より簡単にAR体験が行えるようになった。
Creo上でARオブジェクトを配置したい平面を指定し、パブリッシュを行うと該当データはPTCがホストするサーバにアップロードされ、ARコンテンツが生成される。ユーザーは、そのコンテンツにアクセスできるURLを電子メールで共有することで、デザインレビューや営業、マーケティング活動などにARを活用できる。
また新たに、ARコンテンツの生成や管理などが行える「Creo AR Design Share」を提供する。「作成したARコンテンツをどこの誰に見せるのか、あるいは見せないのかといった権限などを細かくコントロールできる」(トンプソン氏)
データだけでは見えなかった事象を発見できる「デジタルツイン」
デジタルツインに関しては、レーシングカーを開発するGriiipの事例を紹介。従来のようにセンサーデータ(フィジカルデータ)のみで分析するだけでは発見できなかった事象を、3Dモデル(デジタル)と融合することで“事象を見える化”し、剛性の問題を解決できたという。「センサーデータだけを分析しても分からない事実。これを早く見つけて、迅速に修正できる。デジタルツインを活用することで、製品開発期間の短縮や品質向上が実現可能となる」とトンプソン氏。
このような設計におけるデジタルツインを実現するのが「Creo Product Insight」である。実製品に搭載されているセンサーデータを、ThingWorxを介してデジタルの双子であるCreoの3Dモデルとリンクさせて、実データに基づいた検証や設計改善が行える。
加えて「バーチャルセンサー」についても紹介。実製品のセンサーデータとCreoの3DモデルはThingWorxを介して接続され、デジタルツインを実現するが、実製品に存在しないセンサー(バーチャルセンサー)をCreo上に仮想的に配置してシミュレーションによって得た値を、実際のセンサー値のようにThingWorx、あるいは実製品にフィードバックする。これにより、実際にはセンサーが付いていない部分の事象や状況を(理論値で)把握できるようになり、より突っ込んだ検証や設計改善が可能となる。
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