大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
「鶏と卵」を抜け出しそうな、Armサーバの現在地(2/3 ページ)
ARMv8で加速するサーバ向けArm向けプロセッサ
さてその一方で、こうしたArmのプロセッサIPを使わず、自身によるプロセッサ開発を決めたベンダーも少なくない。
PowerPCベースのプロセッサを作っていたAPM(Applied Micro Circuits Corporation)、MIPSベースのネットワークプロセッサを作っていたCavium Networks、同じくMIPSベースのネットワークプロセッサを作っていたNetLogic(を買収したBroadcom)、そしてAMDなどがいずれも早い時期にARMv8Aのアーキテクチャライセンスを取得、独自Armコアの開発に乗り出した。
X-Gen
最初に製品を投入したのはAPMで、4-Issue WideのSuperScalarを搭載した「X-Gene」を2012年に発表、2013年より販売している(Photo07)。
初代のX-Geneは40nmプロセスを利用しての製造で、それもあって2.4GHzという動作周波数の割に消費電力がやや高めだったが、続いて2014年には28nmプロセスを利用した「X-Gene 2」が登場、2017年には16FF+プロセスを利用した「X-Gene 3」のサンプル出荷が始まった。
ThunderX
これにやや遅れて登場したのが、Caviumの「ThunderX」である。2014年に発表されたThunderXの詳細は明らかにされていないが、パイプライン自体は比較的小規模(2命令程度?)のスーパースカラー/アウトオブオーダー構成とみられている。その代わり、最大48コアを集積し、さらにネットワークプロセッサに求められるさまざまなアクセラレータ機能を搭載した製品である(Photo08)。
同社はMIPS64のアーキテクチャライセンスを用い、独自のMIPS64コアを搭載した「Octeon」というネットワークプロセッサをリリースしており、このコアをArmベースに置き換えたものがThunderXである。そして、その最新製品が「ThunderX2」である。
Thunder X2はプロセスを微細化すると共にコア数を増やし、動作周波数を引き上げるというプランだったはずだが、どうやら変更されたようだ。現時点でコア数や動作周波数が明らかにされていないが、少なくともコア数が48よりは少なくなっているのは確実である。Globalfoundriesの14nmプロセスで製造されており、本来ならば3GHzに達する性能になるはずだったが、実際どうかは良くよく分からない。
何を言っているかというと、コアが自社開発のものから、BroadcomのVulkanベースに切り替わったらしい(この結果として、性能は引き上がったと思われる)。コア変更もあってか2017年に入ってHPC向けの研究プラットフォームやテストベッド、さらには一部のサーバにも採用されることが明らかになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
3
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
4
スマート工場動向調査2026
-
5
はじめての化学工学まとめ(Part1)
-
6
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
-
7
自律走行搬送ロボット(AMR)の位置推定と自律走行はどこまで高精度化できる?
-
8
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
9
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
10
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー