企業動向を振り返る 2018年1月版
チップ再設計に踏み切ったIntel、「Spectre」「Meltdown」の余波は収まらず
2018年1月に報告されたプロセッサの脆弱性「Spectre」「Meltdown」に対応すべく、Intelはチップの再設計に踏み切った。他社は追従するか。
2018年1月の話題として避けて通れないのが、組み込みプロセッサも内包する「Spectre」「Meltdown」の脆弱性でしょう。対処するためのソフトウェアアップデートは各社より既に提供されていますが、最新CPUアーキテクチャに共通する脆弱性であるために問題の根は深く、Intelは2018年1月の決算発表時、当該チップの再設計に踏み切ることを明らかにしました。
「Spectre」「Meltdown」が具体的にどのような脆弱性であるかはこちら(「組み込みプロセッサにも影響大「Spectre」「Meltdown」の背景を探る)で詳細を解説していますが、端的に言えばこの問題はプロセッサのIPCを引き上げるため、多くの処理を「アウトオブオーダー化」したことに端を発します。
基本的にプロセッサは命令を渡された順番で実行しますが、クロック当たりの処理能力を上げるため、順番によらず命令を実行する(アウトオブオーダー)手法が考え出されました。順番に実行しないことで処理待ち時間の削減が可能となりましたが、データをキャッシュに一時退避させるなどの仕組みが組み込まれることになり、その仕組みの隙間を突いたのがSpectreとMeltdownといえます。
根本的な原因が「プロセッサのアウトオブオーダー化」である以上、影響範囲は広大です。研究機関などの発表によれば、現在はIntelとAMD、そしてArmの一部製品が影響を受けるとされていますが、MIPS TechnologiesもMIPSアークテクチャのMIPS P5600/P6600について、Spectreの影響を受ける可能性があると明らかにしています。今後、「影響下にある」と判明する製品が増加してもおかしくはありません。
既に述べたよう脆弱性に対する(緩和する)ソフトウェアアップデートは各社から提供されていますが、全製品をカバーするには至っていません。根本的な原因はプロセッサのアーキテクチャにあるため、Intelはソフトウェアアップデートを提供しながら、チップの再設計を行うという手段で対応することに決めたようです。
Intelは影響を受ける製品が多いため、他に先駆けての再設計を決断したとも考えられますが、再設計には時間とコストが必要とされます。Intel以外のハードウェアベンダーがどのような対応策を打ち出すか、注視していく必要があるといえるでしょう。
エレクトロニクス関連企業動向 主要ニュース
2018年1月の企業動向(エレクトロニクス分野)
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[脆弱性問題に対処するチップを18年内に発表 Intel](http://eetimes.jp/ee/articles/1801/30/news069.html)・
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[自動運転ではカメラを重視、CESでIntelが基調講演](http://eetimes.jp/ee/articles/1801/11/news058.html)・
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[RISC-VはEmbeddedでマーケットシェアを握れるのか ](http://eetimes.jp/ee/articles/1801/16/news109.html)・
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[車載半導体首位・NXPの製品/技術戦略を幹部に聞く](http://eetimes.jp/ee/articles/1801/31/news034.html)・
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[UMCとMicron、メモリ関連で特許係争に発展](http://eetimes.jp/ee/articles/1801/17/news037.html)・
脆弱性問題に対処するチップを18年内に発表 Intel
2017年の業績が好調だったIntelだが、CPUのセキュリティ脆弱性の対処には追われているようだ。同社CEOは、この脆弱性問題に対処するチップを2018年後半にリリースする予定だという(続きはこちら 提供 EE Times Japan編集部:2018年1月30日掲載)
自動運転ではカメラを重視、CESでIntelが基調講演
「CES 2018」の基調講演に登壇したIntelは、自動運転車向け開発プラットフォームを紹介した。競合陣営がレーダーやライダーなどを活用するAI(人工知能)ベースのセンサーフュージョンに注力するのに対し、Intelは“カメラ”の活用を最優先する考えだ(続きはこちら 提供 EE Times Japan編集部:2018年1月11日掲載)
RISC-VはEmbeddedでマーケットシェアを握れるのか
2017年12月に開催された「RISC-V Day 2017 Tokyo」から、著者が注目した4つの講演を紹介する(続きはこちら 提供 EE Times Japan編集部:2018年1月17日掲載)
車載半導体首位・NXPの製品/技術戦略を幹部に聞く
車載半導体シェア首位ながら、Qualcommによる買収を間近に控えるNXP Semiconductors。今後、どのような車載半導体ビジネス戦略を描いているのか。同社オートモーティブ事業部門の最高技術責任者(CTO)を務めるLars Reger氏に聞いた(続きはこちら 提供 EE Times Japan編集部:2018年1月31日掲載)
UMCとMicron、メモリ関連で特許係争に発展
台湾のUMCが、Micon Technologyの中国の子会社を提訴した。メモリチップ関連で、特許侵害があったとする。(続きはこちら 提供 EE Times Japan編集部:2018年1月17日掲載)
JDI、スマホ/車載以外で20年度売上高1000億円へ
ジャパンディスプレイ(JDI)は2018年1月23日、スマホ、車載を除く用途向け事業で2020年度(2021年3月期)に売上高1000億円を目指すと明らかにした(続きはこちら 提供 EE Times Japan編集部:2018年1月24日掲載)
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