オートモーティブワールド 2018
自動運転や電化の進む中で「技術以外」をどう磨くか(1/2 ページ)
自動運転と電化は今後ますます、何らかのカタチで市販車に取り込まれていくが、技術的に可能であることと、市販車に搭載することでは大きく意味が異なる。日本メーカーが「技術で勝ったが、市場で負けた」とならないためにどうすべきか。テュフ ラインランド ジャパンの講演より探る。
自動車に関するトピックの中で、高い関心を集めているものといえば「自動運転」と「電化」だろう。環境対策や搭乗者保護、クルマのサービス化などこれらの普及を後押しする要素も多く、ADASを内包する自動運転と電化はいずれにしても、何らかのカタチで市販車に盛り込まれていくだろう。
しかし、技術的に可能であることと、市販車に搭載することでは大きく意味が異なる。市場性はもちろんのこと、人命に関わる製品であるための安全性、社会的に許容される存在であるための法規制など、さまざまな要件をクリアしなければならない。こうした「技術以外の要件」についての解説が、オートモーティブワールド 2018の会場にてテュフ ラインランド ジャパン主催のセミナーにて行われた。
自動運転レベルとASILのシンクロ
自動運転はレベル0から5の6段階に分類されるが、レベル1の運転支援であっても車載カメラによるブレーキアシストや横滑り防止などが実装され、レベル2では自動車線維持やオートクルーズが実現する。レベルが上がれば上がるほどに「クルマのシステム化」が進み、最上位のレベル5になれば人間がすることは行き先を決めるだけとなる。
クルマのシステム化が進む際、実装された機能やシステムは肥大化・高度化する。その安全を確保するために規格化されたのが自動車向け機能安全規格「ISO 26262」である。ISO 26262は手法を体系化したものであり、その手法に基づいた電子部品(システム)が達成しなければならない安全性レベルは4段階のASIL(Automotive Safety Integrity Level)にて表現される。
自動運転レベルとASILは直接的な関係を持たないが、セミナーにて壇上に立ったテュフ ラインランド ジャパンの山本真一氏(製品安全部 産業機械課 プロジェクトマネジャー)は、「提供されるサービスを表現する自動運転レベルと、サービス実現のためにクリアしなければならないASILはシンクロしていくだろう」と述べる。
ASILはISO 26262コンプライアンスの主要構成要素であって、規格や法規に該当するものではない。ただ、自動運転技術を実装するためにカメラやレーダー、電子ミラーなどを自動車に搭載したいと考えれば、それら部品はUN R46 CMSやISO 16505などの規格に準拠しなければならなくなる。それはブレーキや操舵、パワートレーンの電化も同様だ。
自動車そのものが100年に一度と呼ばれる変革期にあるため、自動運転にしても電化にしても「どのような機能を、どのような技術で実現するか」の確固たるコンセンサスはまだ存在しない。ただ、技術開発に注力するあまり、規格や法規への対応が遅れたり、乗り遅れる事態は避けねばならない。
山本氏は現時点における注意点として「形式認証」「IECの電気安全」「機能安全と法規の関係性」の3つを挙げ、今後、自動運転と電化の搭載が進む中においては技術よりもこうした規格や法規への対応が障壁として認識されることになるだろうと述べた。
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