IDC Japan 国内3Dプリンティング市場予測
3Dプリンタ市場は「終わった」のか?(2/2 ページ)
造形材料が市場をけん引
もう1つ、3Dプリンタ市場を構成する造形材料はどうだろうか。その売り上げ推移を見てみると、2014年の国内造形材料売り上げは74億円で、翌2015年は14.7%成長の84億円、2016年は30.6%成長と大きく伸ばして110億円規模となり、前述の国内3Dプリンティング関連サービスと同様に成長が見込まれる。「プロフェッショナル3Dプリンタの稼働台数の増加と3Dプリントサービス利用の拡大により、材料消費量が増加し、造形材料の売り上げ成長をけん引していく。また3Dプリンタによる直接製造が増えることで急速に拡大する可能性もある」(三谷氏)という。
国内3Dプリンティング市場のCAGRは2桁成長
3Dプリンタ本体、3Dプリンティング関連サービス、造形材料を合わせた国内3Dプリンティング市場全体で見てみると、2016年の売り上げは前年比1.5%成長の328億円。その後、3Dプリンティング関連サービスおよび造形材料が中心となり市場をけん引するとみられ、IDC Japanは2016~2021年の年間平均成長率(CAGR)を11.7%と予測し、2021年の市場規模は571億円になる見通しだという。「3Dプリンティングの市場はそれほど大きなものではないが、CAGRが2桁で成長する市場はごく限られているため、期待をもって今後の動向を見守っていきたい」と三谷氏は述べる。
また、ユーザー視点の見解として三谷氏は「3Dプリンティング技術は、従来の製造方式を置き換えるものではなく、複雑な形状を実現できる新しい製造方式の1つであり、うまく活用することで製造プロセスの改革や新たなビジネスモデルの確立につなげるべきである。同時に、現状の3Dプリンタの性能や材料の制約を踏まえ、どのような付加価値を生み出すことができるかをきちんと見極めることも大切である」という。
技術革新とともに、今後、造形速度や精度の向上、新しい造形材料の開発がより一層進むものと考えられるため、何かのきっかけで3Dプリンタ市場の成長が今回の予測を上回る可能性も十分にあり得る。それが製造分野なのか、医療分野なのか、それとも全く新しい分野なのかは分からないが、出荷台数が減少傾向にあるというだけで、3Dプリンタ市場を悲観的に捉えるのはまだ早そうだ。
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