設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(9)
課題解決に役立つ「3D CAD」をどうやって評価・選定すべきか?(2/3 ページ)
3D CADの評価・選定を始める
イメージが明確になったところで、3D CAD選定から始めていきます。3D CADのユーザーとなる設計部門では現場ごとの考え方が存在し、同じ企業内でも事業部によって、その設計文化は異なります。筆者の場合、メカ設計に特化した単一事業部でしたが、製品によっては設計の考え方が違ってきます。一般的な設計部門の傾向は以下の通りです。
- 単体部品のみ設計
- アセンブリ内のパーツ点数の少ない設計
- アセンブリ内のパーツ点数が非常に多い(大規模アセンブリ)設計
- 一品一様な設計
- 新規設計のみ
- 標準機設計
- 流用設計率が高い
- 計画生産
- 個別型受注生産
- 自社内のみの設計(社外のCADとの連携は不要)
- 社外のCADデータ連携が必要
- 設計仕様・設計構成は設計部門が決める
- 設計仕様・設計構成は上位システムより指示を受けるため、設計部門は決めない
- 設計出図段階で上位システムとの連携が必要(これまでも連携している)
- 図面・部品表
- メカ(機械)設計に特化
- CAM連携の必要性
- CAEの必要性
こうした傾向にマッチした3D CADを選定すべきであり、そのためには設計者自身が検証/ベンチマークを行うべきです。
3D CADには多くの製品があります。またその製品レベルもミドルレンジからハイエンドまで存在し、価格帯や保守費用の形態もさまざまです。以下に代表的な製品を列挙します(表1~3)。
3D CAD製品
| 製品名 | 提供企業 |
|---|---|
| CATIA | ダッソー・システムズ(フランス) |
| Creo Parametric | PTC(アメリカ) |
| NX | シーメンスPLMソフトウェア(アメリカ) |
| 表1 代表的なハイエンド 3D CAD | |
| 製品名 | 提供企業 |
|---|---|
| SOLIDWORKS | ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(フランス) |
| Creo Elements/Direct Modeling | PTC(アメリカ) |
| Inventor | オートデスク(アメリカ) |
| Fusion 360 | オートデスク(アメリカ) |
| Solid Edge | シーメンスPLMソフトウェア(アメリカ) |
| TopSolid | ミスラソフトウェア(フランス) |
| iCAD SX | iCAD(日本) |
| iCAD MX | iCAD(日本) |
| Micro Caelum | トヨタケーラム(日本) |
| IRONCAD | アイアンキャド(アメリカ) |
| 表2 代表的なミドルレンジ 3D CAD | |
| 製品名 | 提供企業 |
|---|---|
| M-Draf Suite | ムトーエンジニアリング(日本) |
| CADSUPER Works | アンドール(日本) |
| 表3 その他の製品 | |
また、3D CADごとに「カーネル(kernel)」の違いがあります。カーネルとは、コンピュータで3D形状を表現するためのエンジンのようなものです。カーネルには市販されているもの、3D CADの製造元が独自に開発したものなどがあります。市販のものでは、パラソリッド(Parasolid)が多く利用されています。日本製のカーネルもあります。ハイエンドのものになると、その機能上、独自カーネルを採用していることが多いようです(表4)。
カーネル
| カーネルの種類 | 製品名 |
|---|---|
| パラソリッド | NX、SOLIDWORKS、Solid Edge、TopSolid |
| 独自カーネル | CATIA、Creo Parametric、Creo Elements/Direct Modeling |
| Autodesk ShapeManager | Inventor、Fusion 360(スカルプト作業スペースはT-Splines) |
| デュアルカーネル | IRONCAD(パラソリッド/エイシス) |
| 表4 その他の製品 | |
カーネルの種類に関しては、社外3D CADとの連携などを行うような場合に重要な評価項目の1つになります。また最近では、欧米系3D CADにネイティブデータのインポート/エクスポート機能が実装されていますが、こうした他社CAD同士のデータ連携に関する機能についても評価ポイントとなります。その他、3Dプリンタへの出力を考えるようであれば、STLファイルへの書き出し(出力)に関してもチェックすべきでしょう。
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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