IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(11)
ソフトウェアテストの未来(後編)――テストが開く明日への扉(3/5 ページ)
ソフトウェアテストの未来
ここではソフトウェアテストの未来を予想していく。最初に究極のテスト目的でもある自動テストやバグゼロなどについて見ていくことにするが、まずは図2にその妄想を示す。
テスト技術者は自動テストの夢を見るか
テストの歴史から見て分かるよう、テストツールの歴史は自動化の歴史でもあった。人間が行っているテストをツールでなるべく多く自動化する歴史であった。その究極の目的は完全な自動テストである。
単体テストレベルでなく、システムテストでも自動テストをするのであれば、プログラムがどんなことをするのかという理解をする必要がある。その上でシステムテストのテストケースを自動的に作る必要がある。
システムテストの入力がプログラムでなく、仕様書などの自然言語で書かれたドキュメントである場合は、自然言語への理解が必要になる。またドキュメントだけでは不十分で多くの周辺情報(フレーム情報)も必要とするだろう。このように自動テストの実現には多くのAI技術が必要で困難であるが、テスト技術者の夢として、それに近づくように努力しなくてはならない。
このような究極の完全自動テストツールは置いておいても、自動化の波はやってくる。個人的には、パフォーマンスや使い勝手、拡張性などの非機能要求のテストを勝手にやって評価してくれるものが欲しいと思っている。いつもこのようなレビューをやっている側としては第1次評価(門前払い!)に使えることを期待したい。
バグゼロ――プログラムの正当性
ソフトウェアテストとはバグがないこと、つまり、プログラムが正しいことを証明することと一般的には思われている。しかし実際はソフトウェアテストの第1原則より、ソフトウェアテストは欠陥があることしか示せない(連載第1回参照)。
しかし、この原則があるにもかかわらず、人類の永遠の野望として、バグがないこと、つまりプログラムの正当性(バグゼロ)の証明に近づくよう、テストは進歩していくだろう。完全な正当性の証明ではないかもしれないが、妥当な制限の元に、妥当な正当性を妥当に保証するところを目指すだろう。
世の中に多くある形式手法は使い物にならない。それらは全く妥当でない強い制限の下で、例外処理を認めないヘンテコな正当性をやっと無理やり証明しているだけである。実用性に欠ける、ごく限られた一部のみを証明するだけである。形式手法支持者を黙らすには「例外」「性能」「効率」といった魔法の言葉を言えばいい。ただ、今後は実用に耐える軽量級の形式手法が出てくるだろう。遠い未来かもしれないが。
AIとIoT、ビッグデータによるテスト
上記の自動テストとバグゼロの証明は、いわばテストの究極の姿である。これらを実現する鍵は、自然言語理解やプログラム理解でのAIであり、多数のテストデータと経験を処理し分析するビッグデータであり、これらのものを有機的に連携させるIoTである。
未来において、これらの3種の神器を使って、自動テストが実施され、バグゼロを保証することになるだろう。コンピュータが人間を超えるとされる2045年までには実現されるかもしれない。
そのときはテストだけでなく、要求分析から設計までも自動化されているだろう。人間はコンピュータに向かって企画意図を話し、コンピュータからのいくつかの質問に答える形で要求を言うだけで、プログラムが生成される。そのプログラムは既に自動的にテストが行われ、バグは最初から存在しない。
とあるテスト現場より(2)
A:「これって妄想ですよね。あの、大丈夫ですか?人生をなめてませんか?」
B:「夢ぐらい見させろよな……でも10年後も同じことを言うんだよな」
A:「まぁ、現実の話をしましょう。これからテストはどうなるんですかね」
B:「プログラマーは自動テストの夢を見るか? いや見ない。なぜなら仕事が減るからだ」
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IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
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