Renesas DevCon Japan 2017
AI時代に舵を切る半導体ベンダーの「持ち札」(2/2 ページ)
産業機器に「後付け」でAIを
次いで登壇した、特定分野別半導体部門を手掛ける第二ソリューション事業本部の横田善和氏は、「スマートホーム」「スマートファクトリー」「スマートインフラ」の3分野へe-AIを適用することで、「現場での認知判断」「熟練者の知恵再現」といった効果が得られると主張する。
e-AIは同社MCU/MPU統合開発環境(IDE)である「e2 studio」にプラグインを用意し、CaffeやTensor Folwといったディープラーニングの学習結果を、GUI操作にて同社マイコンへ実装する。組み込み機器への学習結果実装をIDEから行える環境を用意することで、AIの利用を身近なものとする。この仕組みは既存設備に後付けで装着することも可能であり、完全なリプレースの難しい生産ラインなどへ段階的なAI活用を促す狙いもある。
既に同社那珂工場にも既存設備へのアドオンとして導入されており、講演ではベルトコンベヤーの振動情報解析、生体情報測定、建物などの状態監視と非常時の自律判定、自律走行サービスロボットの姿勢制御などに利用できることが紹介された。
基調位講演の最後に登壇したのは、車載半導体事業を担当する第一ソリューション事業本部の大村隆司氏。大村氏は自動運転時代に向けたコンセプト「Renesas autonomy」を紹介したが、その中で注目すべきは自動運転車について「所有する車」と「乗る車」の2種類に分類しながら事業構想を進めている点だろう。
大村氏は自動車の運転面における進化について、「走る楽しさ、喜び」が目的となる所有する車である「オーナーカー」と、「移動手段としての利便性」を提供する車である「サービスカー」に分かれて進化していくだろうと予測し、オーナーカーとサービスカーでは求められる自動運転技術が異なり、それぞれに適した技術を提供していく方針を示した。
「Renesas autonomy」はクラウドサービスからセンシング、車両制御まで、エンドツーエンドのトータルソリューションを実現するための、オープンな開発プラットフォームとして提供していくもの。車体制御を担うマイコンやSoCについては既に多く提供しており、センシングやクラウドについても他社協業やR-Carコンソーシアムにおいての開発協力などを行っているが、サービスカーでは欠かせない完全自動運転の実現に向けて定義を明確にした格好だ。
また、車の電動化に向けては100kW級インバーターを従来比4分の1に小型化できるソリューションを提供し、コネクティッドカーに向けては高速通信可能なコミュニケーションゲートウェイを提供する。加えて大村氏は「現在でも車には50ものMCUが搭載されており、ADASが進歩すればその数はさらに増える。データ量が増大すればe-AIの重要性は高くなるはず」とも発言し、車載AIについても積極的な姿勢を見せた。
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