産業社会におけるデジタル化の価値(1)
従来の常識を覆し、限界点を突破する「デジタル技術」の可能性(3/3 ページ)
2.視覚化(ビジュアリゼーション)による認識能力の向上
認識の大きな割合を占めるものは、やはり視覚になります。そのためにコンピュータ導入以前から、人間は設計図を描き、建築物であれ商品開発であれ、組織が果たすべきミッションを共有してきました。コンピュータ導入後は、設計図を電子化(初期は2次元、最近では3次元として表現)することで、対象の複雑化/多様化に対応してきました。
詳細設計段階で3Dデータを作成/検証し、業務を進めることは多く行われていますが、コンピュータ計算処理能力の向上と、リモートレンダリング機能により、多くの環境で3Dデータがあれば仕上がりがどうなるかを視覚的に確認できるようになりました。今までデザイン部門でなければ扱えなかったリアリスティックな画像を、設計や製造、営業やマーケティング部門でも扱えるようになります。
レンダリングによるリアリスティックな画像と、拡張現実(AR:Augmented Reality)を活用することにより、商談の場で、製品を実際に使う環境をより具体的に顧客がイメージできるようになります。また、データである特性を生かし、色彩など製品の外観やオプションを自由に切り替えて見ることも可能です。
3Dデータの活用は、タブレット端末、HMD(Head Mounted Display)やスマートグラスなどが開発されたことにより、新しい局面を迎えています。よりリアルな環境を提供できることから、没入型の仮想現実や作業トレーニングの領域で活用されています。これは、従来型のトレーニングを超えた経験を提供できるため、学習曲線を大幅に改善することが期待できます。
またタブレット端末やスマートグラスは移動型のデバイスであるため、生産現場やメンテナンス現場での活用の可能性が広がっています。図9では、最新のスマートグラスと拡張現実をフル活用した現場作業イメージを示しています。いずれもハンズフリー(音声認識)、通話機能(ネットワーク)、3Dデータと現実世界との重ね合わせなどのデジタル新技術を融合させることで、新たな価値をもたらす次世代のワーキングスタイルを提案しています。
ご覧いただいたように、今までの限界を突破し、デジタル技術によって組織の活動機能をあるべき姿に近づけていくことが可能です。次回は、生産工程設計、製造実行などの分野、また分野間を有機的につなぐデジタル技術の活用を紹介する予定です。それではまたお会いしましょう。(次回に続く)
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産業社会におけるデジタル化の価値
「デジタル化」とは何か? デジタル化が産業社会にもたらす変化と価値について、全4回で解説する。
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