IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(6)
ソフトウェアテストの試練(前編)―IoTとAI、ビッグデータの試練を乗り越える開発(2/4 ページ)
ウオーターフォールは失敗する
この美しいウオーターフォールだが、ほぼ間違いなく失敗する。システムテストが始まるまで(問題を順調にシステムテストまで先送りして)開発プロセスは順調に進むが、システムテストに入った途端に、先送りしてきた問題が一斉に吹き出す悲劇または喜劇が演じられる。これをシステムテストリスクと言ってウオーターフォールでは必ず起こる。
システムテストリスクが暴れだしたら、これはもうシステムテスト工程でアジャイル風に最初からやり直す必要がある。場合によっては上司やユーザーに知られず、こっそりとやり直す必要がある。ウオーターフォールには要求分析リスクなど、これ以外のワナもいろいろとウオーターフォールのよどみに潜んでいる。
ウオーターフォールのソフトウェアテストもシステムテストリスクに巻き込まれる。一番の被害がシステムテストの時間がなくなってしまうことである。本来はシステムテスト工程では全ての時間を使ってテストできるはずだったのが、隠密のアジャイル開発によって、大幅に減少してしまう。テストケースも初期の段階で作ると、作り直しの運命になってしまう。そして要求仕様とテストケースのトレーサビリティが取れなくなってしまい、昔の要求は歴史の闇に葬りさられ、歴史が改変される。
アジャイルソフトウェア開発っておいしいの?
アジャイルとは俊敏という意味で、ソフトウェアを俊敏に開発してしまおうというプロセスである。アジャイルの原理となっているアジャイル開発宣言(*)では包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアに価値を置くことなどを宣言している。
アジャイルでは、短期的な開発を反復しながら製品を開発していき、従来の長期重量級の反復開発とは区別される。短期の反復開発により、数の多いインクリメンタル開発にも対応でき、未確定の製品開発にも対応できる。AI やIoTなどの新時代のソフトウェア開発にも向いている。図2にアジャイルソフトウェア開発の概要を示す。
* アジャイルソフトウェア開発宣言
2001年にマーチン・ファウラーら各アジャイル開発者の17人によって宣言された。プロセスやツールよりも個人と対話を、包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、契約交渉よりも顧客との協調を、計画に従うことよりも変化への対応を価値とすることを宣言した。
とあるテスト現場より(2)
A:「アジャイルって、なんかクドくないですか?同じところをグルグルしてて」
B:「それがアジャイルなんだが。それに同じところじゃない」
A:「うーん、でもクドい。よく似ているところをグルグル、グルグル……」
B:「それこそがアジャイル!似ていても進歩しているんだ」
A:「でもはっきり言ってアジャイルってくどいです」
(以下短期の繰り返し)
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IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
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