Oracle Cloud Days Tokyo 2016
バズワードを抜け出す製造業IoT(1/3 ページ)
IoT(Internet of Things)は確実に製造業の実務に生かされはじめている。アクセンチュアと日本オラクルが、その現状や将来の見通しについて語った。
2016年10月25~26日に開催された「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」(日本オラクル主催)において、「スマートファクトリへの取り組み 現場情報を企業革新に活かすインダストリアルIoT」のタイトルで講演が行われた。
同講演では、アクセンチュア デジタルコンサルティング本部 モビリティサービスグループ統括 マネジング・ディレクターの丹羽雅彦氏が、あらゆるものをネットワークによってつなげるIoTの現状や既存のデータ活用との違い、活用事例などを紹介。日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業本部 ビジネス推進部 担当ディレクターの杉達也氏が、同社のIoT関連の展開方針や提供サービスについて語った。
販売から顧客サービスへのシフトを加速する
まずIoTへの取り組みが進みつつある背景として、丹羽氏は次の4つの要因を挙げた。
それは「コンピューティングのコストの低下」「ユビキタスなネットワークの構築」「クラウドとビッグデータの浸透」、そして「スマートフォンの普及をはじめとするモバイル機器の急増」である。ネットワーク接続の浸透、ネットワーク接続機器の普及・増加といった下地が、IoTへの取り組みを加速させているという。
IoT導入の目的は大きく3つに分けられる。それは「オペレーションの効率化」「製品およびサービスの改善」、そして「画期的なビジネスモデルの構築」だ。
2つ目の“製品およびサービスの改善”については、今まで基本的に製品を売った瞬間、企業と顧客との関係はなくなり、その後のカスタマーサービスはコストだと捉えられてきた。しかし、現在はIoTによって“顧客との継続的なつながり”が可能となり、“カスタマーサービスが利益の源泉だ”と考える企業も増えているとのことだ。
企業のIoTへの取り組み状況を調べた、ある調査によると「IoTの調査を行っている」が76%、「IoTの実証実験、もしくは本格運用を実施している」が36%、「今後3年以内にIoTをビジネスに活用する」が95%だったという。また、63%が「IoTによって競争優位性を確保でき、取り組まなければ競争に負ける」と答えているのに対し、「自社の経営陣がIoTを正しく理解している」と回答したのが38%と半数以下であった。IoTの本質や適切な活用展開について、丹羽氏は「まだ“試行錯誤の段階”であり、アクセンチュアとしても模索しながら取り組んでいる」と述べた。
既存のデータ活用と何が違うのか
IoTへの取り組みの必要性がうたわれる中、製造業では、自社情報をデータ化し、ネットワークをつないでサプライヤーや販売店などと共有・活用する取り組みは既に行われてきた。そうした従来のデータ活用とIoTとで決定的に何が違うのか?
それは、データフォーマットがオープン化されている点だという。さらには、情報のプラットフォームが提供されていること、データの解像度が空間的にも時間的にも詳細になっていることなども挙げられる。これらにより、大企業が垂直統合的にネットワークを構築するのとは異なる形で、データの集まる場が作られる。そこではベストエフォートの方式で、結果的に最高のパフォーマンスが提供されるのだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
特集(製造IT)
「製造IT」をメインテーマに、モノづくり関連セミナーのレポートやインタビューなどを多数掲載。製造現場の課題解決やカイゼン、意識改革に向けた第一歩を踏み出すためのヒントを提示します。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー