Oracle Cloud Days Tokyo 2016
バズワードを抜け出す製造業IoT(3/3 ページ)
データの組み合わせ次第で活用の広がりも
ベトナムのアクセンチュアが担当した事例が、飲料メーカーがショップに配布する冷蔵庫の管理である。自社製品を陳列してもらうために配布していた冷蔵庫だが、実際は、関係のないことに使われていることが多くあったという。そこで、冷蔵庫に開閉センサーを取り付け、1日の開閉回数と販売データを突き合わせることにした。
これにより、開閉数が多いにもかかわらず販売額が小さければ、冷蔵庫が関係のないことに使われていると推定できるようになった。開閉センサーは、Bluetoothで通信する1個500円程度のもので、開閉データと販売データは簡単に取得できた。「一見そんなデータは取れないと思えるものでも、いくつかのデータを組み合わせることで可能になることもある」(丹羽氏)。
IoTは地球のコピーを作ること
「IoTを実現するということは、『地球のコピー』を作ることだ」と丹羽氏は述べる。例えば、macOSを搭載するPCが壊れたとき、過去の状態に戻せる「Time Machine」という機能があるが、それと同じようにある時点における地球のスナップショットが撮れるようになりつつあるという。「将来的にはデータの解像度がさらに向上し、膨大な地球のデータを分析して、それをどう生かすか? ということになるだろう」(丹羽氏)。
IoTによって究極的には、需要と供給が直結するという。「たくさんの家で冷蔵庫が開けられ、飲み物が飲まれた」「今日は天気が良かった」といった情報に対して、サプライサイドで自動的に生産調整が行われるような世界が作れるということだ。
そして、そうした世界が実現される一方で、情報を一方的に伝える「信号機」のようなものは消えていくだろうという。また、現在の慣習に基づくルールもなくなるだろうということだ。「夢のような話に聞こえるかもしれないが、IoTは発展途中なのでそうした可能性も秘めている。いろいろな分野で一緒になってIoTの可能性を考えていければと思う」(丹羽氏)。
IoTクラウドサービスの展開を開始
オラクルでは、2015年ごろから「Oracle IoT Cloud Service」(以下、IoT Cloud Service)の提供を開始し、現在さまざまな分野で採用や検討が進んでいるという。同サービスの特長は、IoTのために組み上げられた環境で構成されている点だ。IoT基盤自体はPaaSという位置付けで提供しているが、SaaSに近いアプローチも提供しているという。
一方で、IoTの展開をより加速させるために、典型的なユースケースをアプリケーションとしてあらかじめ用意し、IoTの価値を体験してもらうための「アセット監視アプリケーション」を提供する。今までは“見える化”できるアプリケーションを構築する必要がったが、アセット監視アプリケーションの提供により、すぐにIoTの価値を体験(リアルタイムの状況監視が)できる。
また、より全体視点での最適化について、「スマートマニュファクチャリングアプリケーション」をクラウドに展開するプロジェクトがあるという。このプロジェクトでは、IoTとビッグデータ、またERPデータをミックスして扱うそうだ。「われわれが提供するITの仕組みは、このようなビジョンを踏まえつつ設計されている。そのことを多くの皆さんに知ってもらいたい」(杉氏)。
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