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バズワードを抜け出す製造業IoT(2/3 ページ)
IoTはどこに使えるのか
製造業におけるIoTの活用先として、丹羽氏は次の3つを紹介した。1つ目は「生産効率化」である。これは工場の生産ラインなどの状況を“見える化”して、サプライヤーも含めて効率化を進めていく、以前から行われていたものだ。
2つ目は「経営と生産の統合」で、近年こうした声が実際に大きくなっているという。今まで経営から見える工場の情報は、「今日、1万個製品を出荷する」「1億円分の部品を購入する」といった大きな単位であり、工場内部の生産ラインの状況とERPは直結していなかった。「いずれは市場の需要などの状況が、工場に直接素早く伝わるよう統合することが期待されている」(丹羽氏)という。
そして3つ目は、「地産地消型の製造」だ。これまでは、人件費の安い国で大量生産し、世界中へ製品を出荷するのがスタンダードだった。これに対し、地産地消型製造では、ほしい人の住む地域で、必要な分だけ作って素早く出荷することを目指す。この製造方式においては、ロボット化や人工知能の活用もキーポイントになってくる。
なお、1つ目の“生産効率化”は製造の内部を一貫してつなげ、2つ目の“経営と生産の統合”はビジネスと工場をつなげ、3つ目の“地産地消型製造”は顧客と企業とをつなげていくものになる。
3Dプリントを活用し地産地消を実現
地産地消型製造の例として、丹羽氏はローカルモーターズの取り組みを紹介した。ローカルモーターズは、2007年設立の電気自動車を製造する企業だ。3Dプリンタを活用して、ユーザーごとのカスタマイズ車を製造している。
ローカルモーターズという名前は、“顧客の近くの地域で製造する”という意味が込められているという。同社は特定の国でクルマを大量生産してフェリーなどで運ぶのではなく、各地に“マイクロファクトリー”と呼ばれる生産拠点を作り、必要な分だけ3Dプリント技術を活用しながらクルマの製造を行う。「近未来の製造業は、このような物流コストが掛からず、必要な分だけ作る、地球に優しい形になっていくだろう」と丹羽氏は説明する。
経営と工場を直結させる
さらに丹羽氏は、オーストラリアの鉱山でアクセンチュアが担当した事例を紹介。この鉱山は敷地内に発電所を備えるほど巨大で、自律運転のトラックなどが多く走っており、採掘された資源はすぐに船で出荷されている。ここで採掘を行っている企業は以前からIoT導入を進めており、あらゆるデータを収集することはできていたが、それらがバラバラに管理されており、うまく活用し切れていない状況だったという。
そこでアクセンチュアは4カ月の期間で、それらデータを集め、一元的に管理・表示するためのシンプルなプロジェクトを実行。トラックや船などの動きを把握し、タイミングを全て同期させたり、掘削の刃が欠けた瞬間に工程の全体または一部を停止させたりするなど、採掘、電力需要、出荷状態といった全てのデータを実際の作業工程などと連動させるシステムを構築した。そして、次の取り組みとして、出荷計画を自動で作るプロジェクトにも着手。現在ではかなりの部分で自動化が可能となり、大きな成果が得られているという。
その他、アクセンチュアが日本で担当した、携帯電話端末の販売において生産と販売を統合した例も紹介した。アクセンチュアは調査結果を基に販売予測を行い、それに従ってメーカーが製造する数量を決定し、どれだけショップに在庫を置けばよいかの予測を自動化するプロジェクトを実施。メーカー、物流倉庫、携帯電話会社、販売店への分配、ショップの5階層くらいあるが、それぞれにいくら在庫を置けばよいかの予測を自動化した。その結果、在庫量が1カ月弱に減り、欠品率も17%から2.1%に下がるという効果があったという。
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