4m Robot PROJECT
オヤジたちが熱中! 大阪の町工場の集大成「4mロボット」大地に立つ(3/3 ページ)
軽量化、強度、コストダウンの課題を乗り越えて……
「歩行させたかったので、軽さには徹底的にこだわった」と坂本さんは言う。一般の乗用車が長さ4mで重量1000kgあると聞けば、はじめロボットの重量300kgがいかに軽いかが分かるだろう。
軽量化のために、足回りにも2mm厚のアルミ板を使用している。ロボットのサイズを考えると「それで強度は大丈夫なの?」と心配になるが、面接着の箱組にすることで強度と軽さの両立を実現した。
下半身のモーターに産業用ロボットアームを駆動するモーターを採用。モーター回りには9mm厚の板を使用しているが、可能な限り肉抜きをしている。予算がない中で開発しているため、トライ&エラーをする余裕はない。事前にシミュレーターで強度計算をし、最適パターンを検討してから部品の試作をしてきたという。
前回のお披露目から、これまでの開発後半の苦労を伺うと「……特にない」という回答。「(開発前半)とにかく歩かせるまでが大変だったので」と坂本さんはいう。上半身に外装と両腕を付ければ、バランスが変わるので調整は必要となるが、それまでの苦労を考えれば「順調」ということらしい。
操縦は、上半身がマスタースレーブ方式。コックピット内部にあるロボットのミニチュアを操作することで、本体が同じように動く。下半身はゲームのジョイスティックで操縦する。歩行は、片足に重心を移して遊脚を動かす静歩行だ。現状、かなり揺れるのでロボットを吊って安全を確保しておかないと怖いそうだ。
実は、歩行の動作テストをしているときに、吊り下げ金具がきちんとセットされておらず、ロボットが倒れたことがあったという。「ふらぁ~とロボットが揺れて……。とっさに支えようと思ったが、(軽いといっても300kg)実際支えられるわけがなかった」と金増健次さん(吉則工業)は手振りでロボットが揺れる様子を示しながら苦笑した。ちなみに、このとき誰も搭乗しておらず大きな事故にはならなかったという(外部から操縦して動作テストを行っていた)。
お披露目をしたといっても、これが完成形ではない。今回のイベントでも、午前と午後のデモンストレーションの間に、メンバーはロボットの調整に余念がなかった。今後は歩行スピードを上げたり、安定性を高めたりと、性能をブラッシュアップしていく予定だという。
はじめ研究所は、ロボット受託開発を業務としているが、搭乗型4mロボット「はじめロボット43号機」は依頼主がいない。どこからも研究・開発費や助成金などの資金援助を受けていない。町工場のオヤジたちを中心に「作りたい!」メンバーが有志で集まり作っているのだ。もちろん、購入希望者が現れれば販売も可能だという。自社工場内に開発スペースを提供している金増さんは、「現状渡しなら6000万円。そのままお持ち帰りいただくことが可能だ」と笑っていた。
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