アスラテック VRcon for Pepper
ロボットによる接客の違和感は“中の人”が解決する!? 「Pepper」遠隔操作ソリューション
アスラテックは、人型ロボット「Pepper」を遠隔操作できるシステム「VRcon for Pepper」のライセンス提供を、システムインテグレーター各社向けに開始すると発表した。
アスラテックは2016年7月20日、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」を遠隔操作できるシステム「VRcon for Pepper」(以下、VRcon)のライセンス提供を、システムインテグレーター各社向けに同年7月21日から開始すると発表した。
VRconは、操作用端末(スマートフォン、タブレット端末、PCなど)を使って、インターネットに接続されたPepperを遠隔操作するためのシステム。Pepperを遠隔操作で動かしたり、映像や音声を使ったやりとりを行ったりできる。操作者(オペレーター)の音声をそのままPepperで出力できる他、オペレーターの言葉やキーボード入力した内容をPepperの声で読み上げる機能や、Pepperのカメラ映像やマイク音声を操作用端末で出力する機能なども備える。
今回アスラテックは、NEC、日立システムズ、フューブライト・コミュニケーションズ、M-SOLUTIONS、TISに対してVRconのライセンス提供を行う。これにより、各社がそれぞれ得意とする分野や顧客に向けてロボットの遠隔操作を生かしたソリューションを手軽に構築できるようになるとしている。
「VRcon for Pepper」でどんなサービスを実現できるか
Pepperと操作用端末との接続には、リアルタイムな双方向通信を実現するWebRTC(Web Real Time Communication)技術を採用。オペレーターの動作にあわせたPepperの自然な動きの生成(頭の向きにあわせてPepperの頭を自然に動かす)などに、アスラテックのロボット制御技術「V-Sido」のノウハウが生かされているという。
こうした機能の実現により、例えば、アパレル店舗などでの接客において、専門スタッフが遠隔からPepperを操作して顧客にオススメのコーディネートを紹介したり、インターネット越しの遠隔操作という利点を生かし、全国からの問い合わせをコールセンターで集約して一極集中で対応したりすることが可能になる。
ロボット接客の違和感を払拭できるか!?
既に、さまざまなシーンで利用されているPepperだが、通常あらかじめプログラムされた動作などしか実行できないため、まだ人によるきめ細かなサービスに及ばない部分がある。
実際、クロス・マーケティングが行った「コミュニケーションロボットによる接客に関する調査」(関連記事:ロボットによる接客体験者はまだ少数、技術革新で違和感を解消できるかが普及のカギ?)では、コミュニケーションロボットによる接客を「利用したいと思わない」理由として、「会話の微妙なニュアンスなど、人間の接客の方が良い・勝っている」「人間より(コミュニケーションに)時間や手間が掛かりそう」などの厳しい声が上がっている。また、コミュニケーションロボットが接客すること自体について聞いたところ、「抵抗がある」(非常に抵抗がある+抵抗がある)、「抵抗はないが、違和感がある程度」との回答が多数を占める結果となった。
またVRconを活用したソリューションは、映像を基に遠隔地との双方向コミュニケーションを実現するという点で「テレプレゼンスロボット」に近い利用形態ともいえる。そう捉えると、ロボットを通じて「(遠隔地にいる人が)その場にいるような存在感」に、利用者がどこまで魅力を感じることができるかも普及に向けた課題といえそうだ(関連記事:介護や見守りで普及が見込まれるコミュニケーション&テレプレゼンスロボット)。
今回ライセンス提供を開始したVRconは、ロボットの優れた部分と人間の優れた部分を融合し、人間のリアルタイムでの操作による自由な動きや会話を実現できるシステムである。そのため、これまで課題とされてきたロボットによる接客体験の“違和感”を払拭(ふっしょく)できる可能性は高く、違和感が薄まることで遠隔地にいる人が“その場にいるかのような存在感”を利用者に提供できるのではないだろうか。今後そうした新しいサービスが、システムインテグレーター各社から登場することを期待したい。
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