IDC Japan 国内IoT利用成熟度調査
国内ユーザー企業の48%が「限定的導入」にとどまる――IoT導入の阻害要因は?
IDC Japanは、「国内IoT(Internet of Things)利用成熟度に関するユーザー調査結果」を発表。その結果から、組織全体のビジネス基盤としてIoTを活用している企業は“ごく一部”に限られていることが分かった。
IT専門調査会社のIDC Japanは2016年8月3日、「国内IoT(Internet of Things)利用成熟度に関するユーザー調査結果」を発表。その結果から、組織全体のビジネス基盤としてIoTを活用している企業は“ごく一部”に限られていることが分かった。
IDCは、国内のIoT市場の成熟度について、「組織/人材マネジメント」「テクノロジー」「運用プロセス」「将来ビジョン」の4つの側面から調査を実施(同年4月)。従業員数1000人以上のIoTを推進する企業に所属し、課長職以上のIoTの意思決定に何らかの形で関与する163人を対象にWebアンケート行った。その結果を総合して国内企業のIoTへの取り組みに関する成熟度を分析、IoTを含めたIT環境の導入状況を客観的に評価するための手法「IDC MaturityScape」に基づき、成熟度の評価を行った。
IDC MaturityScapeとはIDCが開発した手法で、特定のIT環境について全く導入していない場合を「未導入(ステージ0)」とし、導入後のユーザー企業の成熟度を、「個人依存(ステージ1)」「限定的導入(ステージ2)」「標準基盤化(ステージ3)」「定量的管理(ステージ4)」「継続的革新(ステージ5)」の5段階で評価するものである。
国内の多くが「限定的導入」、米国における成熟度との違いも明らかに
今回の調査結果によると、ステージ1の成熟度を持つ企業が2.8%、ステージ2が47.9%、ステージ3が36.1%、ステージ4が12.6%、ステージ5が0.6%であることが分かった。最も多かったのが5段階中下から2番目のステージ2“限定的導入”の成熟度である。この結果から、現状多くの国内IoTユーザー企業のIoTに対する取り組みは、一部の部署/プロセスのみで実施されており、組織全体のビジネス基盤として活用している企業は限られていることが分かる。
また、この傾向を米国の調査結果と比較してみると、ステージ2の割合は日本企業が15ポイント程度高い一方、ステージ5の割合は米国企業の方が10ポイント程度高い結果になっており、ビジネス基盤としての活用レベルに大きなギャップが見られる結果となった。
IoT成熟度の向上を阻害する要因は?
今回の国内IoTユーザー企業の結果、すなわちステージ2の割合が多く、ステージ3以上へのシフトが遅れている理由については、「IoTの費用対効果が見えにくいこと」「IoTに関わる技術標準が乱立しその選定が難しいこと」「法規制が障壁となっていること」「情報セキュリティ上の不安を払拭(ふっしょく)し切れていないこと」などが関係しているとIDCは分析する。
今回の調査を踏まえ、IDC Japanのアナリストは次のようにコメントする。「第3のプラットフォームを中心としたIT技術を駆使することで、企業は単なるIoTユーザーではなく、IoTをベースとした『サービスプロバイダー』になることが可能になってきている。そして、企業はIoTのサービスプロバイダー化を進める上で、ITベンダーと従来のような顧客とサプライヤーの関係ではなく、ビジネスパートナーとして対等な関係を構築することが重要になる。それにより、両者が収益を最大化する上で遠慮なくビジネスアイデアを出し合うことが可能になり、結果としてエンドユーザーに対して付加価値の高いサービスを実現できる」。
併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
- 通信事業者58社に聞く、5G動向調査レポート「けん引役はIoT」
- 5Gは「IoTデバイスを制御する」ことだけが目標?
- モノのインターネットを支える技術とその可能性
- IoTの運用管理におけるネットワーク 7つの課題
IoT関連情報をまとめてチェック:
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)にまつわる業界・企業動向、技術トレンド、IoT活用ソリューション、IoT構築支援サービスなどの情報をまとめてお届けします(特集ページはこちら)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
市場動向(製造IT)
製造業向けITツール/サービスに関する市場動向、実態調査、セキュリティインシデントなど、製造業におけるIT活用の“今”をお届けします。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー