「業務に取り込み済み」は2.4%
国内企業におけるデータ利活用の意識はまだ低い
矢野経済研究所が実施したビッグデータ市場に関する調査によると、国内でビッグデータを活用している企業はごく一部という結果に。
IoT(Internet of Things/モノのインターネット)関連技術の発展・普及に伴い、モノづくりの世界でもデータを収集し、それを分析・解析して、新たな価値創造、イノベーション創出に役立てようという動きが積極的に行われつつある。
ただし、2015年6月に公表された「2015年版ものづくり白書」によると、日本の製造業におけるIT/データの利活用は、世界の主要国の水準と比べて非常に低いとし、今後データ活用の動きをより一層進め、国内製造業のさらなる競争力強化につなげる必要があるとしている。
実際、白書で示されたアンケート調査結果を見てみると、米国企業の90%以上がビッグデータを既に「利用している」と回答したのに対し、日本企業の70%以上が「聞いたことがない、よく知らない」「検討したが、利用していない」と回答しており、イノベーションにデータを活用しようという意識が低いことが示されている。
「業務に取り込み済み」は、わずか2.4%
さらに、矢野経済研究所が2016年3月31日に発表した「ビッグデータ市場に関する調査結果 2016」でもその傾向がみられる。
国内企業を対象にした同調査の中で、ビッグデータへの取り組み状況を聞いたところ、「業務に取り込み済み」が2.4%、「試験的に運用中」が1.7%とかなり限定的な取り組みであることが露呈(計4.1%)。現状、国内でビッグデータを活用しているのは一部の大手企業が中心であるという。
恐らく、ビッグデータへの取り組みをしている企業の中心はIT業界だと考えられるが、先に紹介した2015年版ものづくり白書によると、製造業はIT業に次いでデータ活用を行っている業種であるという。その理由としては、製造大手企業を中心にこれまで伝統的に生産工程の自動化や効率化などに取り組んできた背景が挙げられる。
IoT/AI活用のこれからは?
さて、ビッグデータという言葉はバズワードとして沈静化してしまったが、現在注目されているIoTやAI(Artificial Intelligence/人工知能)といった新たな技術領域において、大量のデータ(ビッグデータ)が活用されており、研究開発・技術発展に大きく寄与している。そのためビッグデータは、IoTやAIによる「データ駆動型経済」を実現するための技術基盤という位置付けへと進展していくことが予想されるという。
さらに、矢野経済研究所の「ビッグデータ市場に関する調査結果 2016」では、ビッグデータを技術基盤とするIoTおよびAI活用の今後の展望についても示している。
2016~2017年ごろは、IoTプラットフォームとして汎用クラウドが拡大し、格安MVNOが普及。IoTサービス基盤の低廉化および利便性が向上し、大企業だけでなく、中堅企業でもIoTを活用できる環境が整っていくという。またAI技術については、主に金融分野を中心に進展し、本格普及の基盤を構築していくと考えられている。
2018~2020年ごろは、膨大なデータのリアルタイム処理を支える次世代メモリ、低消費電力ネットワーク、MEMSセンサーなどの実用化が期待され、技術的なめどが立ち始める時期だという。AI技術は画像、音声、センサーなどの情報から複合的に事象を認識できるようになり、実用化がさらに進むとみられている。
2020~2025年ごろは、東京オリンピック・パラリンピックが開催されるこの時期は、AI技術の発展により、遺伝子情報を活用した次世代医療、自動車の自動運転走行の実用化など、応用分野のさらなる広がりが見込まれるという。
2025~2030年ごろは、ハードウェアの側面ではセンサーシステムの普及が加速するとみられ、AI技術は自動車の自動運転走行に加え、スマートファクトリー、高度な自動翻訳の実現に貢献すると予想される。さらに、AIによる知的作業の応用範囲が拡大し、社会基盤の1つとして成長。それに伴い、AI技術の産業適用がさらなる広がりをみせるとしている。
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