フロスト&サリバン ビジネス機会と投資分析
海外進出先として注目を集めるイラン、低コストで工場開設も可能!?
フロスト&サリバンは、イランにおける海外投資とビジネス機会に関する見通しをまとめた「イラン:グローバル企業に向けたビジネス機会と投資分析」を発表した。
日本企業の有望な進出先として、経済制裁が解除されたイランに注目が集まっている。
市場調査やコンサルティングなどを手掛けるフロスト&サリバンは2016年4月に「イラン:グローバル企業に向けたビジネス機会と投資分析」を発表。その中で、イランにおける海外投資とビジネス機会に関する見通しについて解説している。
イラン進出、日本企業の強みを生かせる5分野は?
イラン政府は、2025年までに年間の国内総生産(GDP)を現在の約4000億米ドルから2倍に引き上げる計画を掲げている。この経済計画を今後10年間で達成するためには、1兆5000万米ドル規模の投資が必要とされ、石油・天然ガスに大きく依存した経済からの脱却と他の製造業の成長促進、持続可能な経済の実現が求められる。
石油・ガス依存経済からの脱却と他の製造業の成長に関して、イラン政府は製造業に対する純投資を2025年までに620億米ドルに引き上げるとし、今後注力すべき12の業種を特定している。さらに2016年2月、日本政府がイランとの投資協定に署名。投資を後押しするために、イラン政府が100億米ドルの政府保証を付ける合意がなされた。
イランでは、現在日本がリードする先端製造業やナノテクノロジー、バイオテクノロジーの分野の成長にも期待を寄せており、イラン政府は今後10年間で、先端技術を用いた工業製品がGDPの50%以上を占めるとする計画を掲げている。イラン国内の製造工場の多くは、現状のニーズを上回る製造能力を備えているため、現在の稼働率は50%以下にとどまっているという。また、イラン国内のメーカーの多くが日本製ブランドの買収に関心を寄せており、日本企業は地元メーカーと提携することで、多額の投資をせずに自社製品の販売をイラン国内や中東の他の地域で行える可能性があるとしている。
さらに、イランを中東地域における輸出拠点とする計画も立てられており、石油業以外での輸出額を2025年末までに1450億米ドル以上にする目標が掲げられている。海外企業がイラン国内に工場を開設し、国内製造品の30%を輸出した場合、他の優遇政策に加えて50%の税額控除を受けられる。イランには日本よりも安価な工業用原材料や技能を備えた労働力もあるため、日本企業は低コストでイランに工場を開設でき、政府からの税制優遇措置を受けた上で、中東地域に自社製品を安い輸送コストで輸出が行えるといったメリットを享受できるという。
日本企業のイランへの進出について、フロスト&サリバンの中東地域担当シニアコンサルタントは、「イランの消費者は日本の製品に対して非常に好意的である。特に家電などの電子機器や産業用機器、医療機器において、日本製品を好む顧客は多く存在する。日本企業にとって特に、家電、自動車、医療(医療機器・病院)、石油化学製品、エネルギーの5つの分野が、強みを生かせる最も有望な分野といえる」と述べている。
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