富士キメラ総研 4K・8Kビジネス/市場の全貌
4K・8K対応機器の世界市場予測――放送や医療が市場をけん引
富士キメラ総研は、4K・8K対応関連機器/システム、主要デバイス、有望分野/用途に関する調査を実施。その結果を報告書「4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016」にまとめた。
2016年8月にBSの高度広帯域伝送方式を利用した「4K・8Kスーパーハイビジョン試験放送」が開始予定で、オリンピックなどの大型スポーツイベントの開催を前に、4K・8K放送への期待が高まっている。
4K・8K対応機器や関連ソリューションなどの開発においても、同年2月に行われた「4K/8Kソリューションミーティング」(主催:次世代放送推進フォーラム)の中で準備が着々と進められていることが明かされ、関連企業の力の入れようが伺える。さらに、4K・8Kによる高精細動画像の利活用は、放送にとどまらず、医療、セキュリティ、エンタテインメント、アミューズメント、研究機関など、さまざまな分野での可能性も見え始めている。
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こうした市場性を踏まえ、富士キメラ総研は、4K・8K対応関連機器/システム、主要デバイス、有望分野/用途に関する調査を実施。その結果を報告書「4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016」にまとめた。
同報告書は、表示機器10品目、入力/撮像機器6品目、記録/再生/その他機器6品目、キーデバイス10品目の市場動向に加え、有望業界/用途7分野における動画像利活用状況やニーズ分析、市場予測を行い、高精細画像ビジネスの実態を明らかにしたものである。以降で、4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016の概要を見ていこう。
2018年/2020年のオリンピックが4K・8K対応機器の普及を後押し
世界市場では、欧米、日本、中国などが4K・8K対応機器の主戦場であり、さまざまな機器が4Kに対応し始めている。欧米、アジア各国では、2014年から「UHD放送」の実証実験や試験放送が相次いで行われており、徐々に民間放送事業者による実用サービスが開始されている。ただ、“国策”として4K・8K放送に対し、積極的に取り組んでいるのは、日本と韓国のみであるという。
韓国は、他国に先駆けて2014年にIPTV/CATVによる4Kサービスの商用化を行い、地上波においても試験放送やライブ中継を開始している。2018年冬に行われる平昌(ピョンチャン)オリンピックに向け2017年に放送を開始し、2021年までに全国サービス化する予定だ。
8K対応機器に関しては日本、韓国など限られた地域が主体となって進められていくとみられ、2018年冬の平昌オリンピック、2020年夏の東京オリンピックに向けて2018年から普及が進んでいくことで、技術の向上が予想されている。
表示機器では、4K化が順調に進んでいるという。短期的には、特にTVが4K化をけん引するとみられ、2016年以降はホーム/ビジネスプロジェクターや放送局用モニターの4K化が進み、8Kは放送局用モニターにおいて対応機器の比率が高まると予想されている。
入力/撮像機器では、業務用ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、ドローン、外科内視鏡で4K化が先行。8K化は、放送環境の整備に伴い業務用ビデオカメラが先行する見込みであるという。
記録/再生/その他機器では、民生用Blu-ray Discレコーダーにおいて徐々に4K化が進むとみられている。据え置き型ゲーム機は、2018年に4K対応機器が主流になり、2025年には8K対応機器が主流になると予想する。
国内市場では、2015年にTV、スマートフォン、ノートPCなどが4K化をけん引。4K対応機器の普及とともに4Kコンテンツも徐々に増加していくとみられる。さらに医療機関、セキュリティ用途での導入も増える見込みだという。
4K・8K関連デバイスの世界市場
大型ディスプレイは、LCD、OLEDともに4K化が進むが、特にOLEDは、ハイエンドTV向けで4K化が進み、LCDは8K化も進むとみられている。また中小型ディスプレイは、LCDにおいて4K対応機器の比率が拡大し、OLEDについては2017年ごろにハイエンドスマートフォンでの採用が増加すると予想。
DRAMは、スマートフォンやTV向けの映像処理向上に伴い搭載容量が増加し、市場が拡大するとみられる。QDコンポーネントについては、4K以上のTVが主な用途であり、4K・8KTVの普及に伴い市場が拡大するという。
4K・8Kの注目市場・用途
世界市場では、業務用ビデオカメラや周辺機器を含め4K化が進んでおり、さらに4Kパネルの低価格化により、2017年以降は4Kモニターが増加するとみられる。また、日本や韓国など8K実用放送開始を背景に、マスターモニターを中心に4Kから8Kへのシフトが進むと予想される。
国内市場でも4K化が進み、8K実用放送開始とともに8Kへのシフトも進むとみられる。業務用ビデオカメラは、2020年夏の東京オリンピック開催を背景に、4K対応機器の需要増加と2017年以降のリプレース需要により市場拡大が予想される。
世界市場において、医療用ディスプレイの4K・8K需要は日本、北米、欧州、韓国などが中心である。手術用顕微鏡システムでは、4Kや3Dを活用した機器の需要が日本、北米、欧州などの先進国が中心で、日本や北米では今後4K・3Dを活用した手術に用いられると考えられる。4K機器は先進国に浸透後、アジアやその他地域でも導入が進むと予測される。
国内市場では、4K・8K対応カメラ/ディスプレイは、肉眼視では困難な極細の縫糸や血管を見ることが可能なため、効率的な手術が期待できる。手術用顕微鏡システムは、眼科や外科で需要がある。コンバーターやディスプレイ、レコーダーなどの周辺機器の製品化が遅れているため、4K・8K対応機器普及のためには、各種規格の標準化が求められる。また、4K・8K対応機器のユーザーは、まずは大学病院など大規模医療施設が中心となるため、市場は徐々に拡大していくと予想される。
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