組み込み/IoT機器開発で使えるWindows(1)
組み込み機器向け「Windows Embedded/IoT」とは?(1/4 ページ)
マイクロソフトの組み込み/IoT機器向けOS「Windows Embedded/IoT」の導入メリットとは? Windows Embedded/IoTの最新情報や活用ポイントを、他の組み込みOSとの違いを交えながら詳しく解説する。
「Windows Embedded/IoT」とは何か
組み込み機器向けのOSには、目的や用途に合わせてさまざまな選択肢がありますが、PC向けのOSとして知られる「Windows」にも、組み込み/IoT機器向けのエディション「Windows Embedded/IoT」があることをご存じでしょうか?
このWindows Embedded/IoTは、特定用途・専用機器向けに限定して提供されている組み込みOSで、POS端末やATM、FA機器、医療機器などの大型の機器から、ハンディーターミナル、カーナビゲーションシステムといった小型の機器まで、さまざまな組み込み機器に採用されています。
本連載では、組み込み/IoT機器開発においてのWindows Embedded/IoTの最新情報や活用ポイントを、他の組み込み向けOSとの違いを交えながら解説していきます。
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IoT時代で変化する組み込み機器開発
昨今のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及に伴い、組み込み機器や組み込みOSの選択にも変化が見られるようになりました。これまで単独で動作していた組み込み機器も、今ではネットワークにつながりクラウドサービスと連携して動作するなど、組み込み機器に求められる機能も多機能化・高度化が進んでいます。
さて、そのような変化の中で、組み込みOSにもWindowsやLinuxといった「汎用OS」が検討・利用されるケースも増えてきました。これには一体どのような理由や背景があるのでしょうか? まずはそのあたりの変化について見ていきましょう。
汎用OSと組み込みOSの違い
PC向けの汎用OSは、「さまざまな用途に利用できる」ことを目的に設計されています。使用者の目的に合わせたソフトウェアや、プリンタやネットワーク機器などの豊富な周辺機器が利用できる環境を提供するために汎用性や互換性を確保しているのです。その分、OS自体が高性能化・多機能化し、ハードウェアにも高いスペックが要求されます。Windows OSやMac OS、デスクトップ向けのLinuxディストリビューションがこれに該当します。
対して組み込み機器は、「特定用途に特化した機能」を持つシステムです。用途が限定されるためハードウェアもシンプルな構成で、組み込みOSは少ないリソース(メモリやストレージのサイズ)で動作することが重視されます。基本的にターゲットの組み込み機器に合わせて作り込むので、汎用OSのような互換性は求められません。また、一定の時間内に処理や制御を終わらせるリアルタイム性能が必要な場合も多くあり、組み込みの世界では従来「ITRON」や「VxWorks」といったリアルタイムOS(RTOS)が高いシェアを占めてきました。
このように、汎用OSと組み込みOSはその目的の違いから特徴がはっきりと分かれていました。
しかし、組み込み機器が多機能化・高度化するにつれて、従来の組み込み機器開発のように全てを自社で作り込むということが難しくなってきました。例えば、カメラやカードリーダーなどの高度な周辺デバイスの利用が必要になると、それらをいかに簡単に、コストをかけずに、短期間で実装するか、ということを考える必要が出てきます。そこで、既にそれらの周辺デバイスを利用する環境が整っている(つまりデバイスドライバが用意されている)、Windowsのような汎用OSを組み込み機器向けのOSとして利用したいと考えるようになってきたのです。
汎用OSが持つ互換性は、開発期間の短縮や生産性の向上、開発コスト削減といった面でも効果を発揮します。
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