組み込み/IoT機器開発で使えるWindows(1)
組み込み機器向け「Windows Embedded/IoT」とは?(3/4 ページ)
Windows Embedded/IoTとは?
2015年7月、マイクロソフトは「Windows 10」のリリースに併せて、組み込み/IoTデバイス向けにも「Windows 10 IoT」エディションの提供を開始しました。これは従来組み込み機器向けに提供されていた「Windows Embedded」の後継に当たるものです。
今回、Windows EmbeddedからWindows IoTへと名称を変えたように、組み込み向けのWindowsも時代に合わせて変わってきました。以降で、従来のWindows Embeddedからどのように変わってきたのかを説明します。
まず、従来のWindows Embeddedファミリーには、表1に示すようなさまざまな種類があります。
| Windows Embedded Standard(WES) | 必要な機能だけを選択できるカスタマイズOS |
|---|---|
| Windows Embedded Enterprise(FES:For Embedded Systems) | Windowsの全ての機能を搭載 |
| Windows Embedded Industry/POSReady(WEI) | 産業用、小売り向け |
| Windows Embedded Server | 特定用途サーバ向け |
| Windows Embedded Compact/CE | 小型機器向けのリアルタイムOS |
| Windows Embedded Handheld | ハンドヘルド端末向け |
| Windows Embedded Automotive | カーナビゲーションやカーオーディオ向け |
| 表1 従来のWindows Embeddedファミリー(一例) | |
この中で最も多く使用されているのが、PC向けのWindows OSがベースになっている「Windows Embedded Standard(WES)」「Windows Embedded Enterprise(FES:For Embedded Systems)」「Windows Embedded Industry/POSReady(WEI)」です。
Windows Embedded Standard(WES)
WESは開発型のOSで、開発ツールを使って独自のOSイメージを構築できます。
PC向けのWindows XP/Windows 7/Windows 8が持つ機能をコンポーネント化(部品化)しており、必要なコンポーネントだけを選んでOSイメージを構築できるため、必要最低限の機能だけを搭載したOSを作ることができます。これはフットプリント(OSイメージサイズ)の削減にもつながりますが、その半面、アプリケーションやデバイスドライバの互換性で問題が起きやすいといった課題がありました。また、PC向けのWindowsには備わっていない、組み込み機器向けの専用機能が利用できるのも特徴です。
ただし、WESは開発ツールを使ってOSイメージを作り込む部分で専門のスキルの習得が必要なことに加え、その分の作業コスト(開発工数)も発生します。
Windows Embedded Enterprise(FES:For Embedded Systems)
FESはPC向けのWindowsとの互換性を重視したモデルです。
PC向けWindowsとの違いは、ライセンスが組み込み機器への搭載に限定されているかどうかです。WESのようなコンポーネント単位の細かなカスタマイズには向かず、組み込み機器向けの専用機能もありませんが、その分アプリケーションやデバイスドライバの互換性は高く保たれており、短期間でOSイメージをインストールして展開することが可能です。
Windows Embedded Industry(WEI)
そして、このWESとFESを掛け合わせたモデルが、WEIです。
FESのようにフルWindowsをベースとし、かつ互換性を保ちながら、WESが持つ組み込み向けの専用機能を実装できます。
ちょうどこのWEIが出た時期からWindows Embeddedにも変化が見られるようになりました。
実は、WES系はWindows 8を最後に後継モデルが登場していません。「Windows 8.1」からはFESかWEIの2択になったのです。これは、OSの細かなカスタマイズよりも互換性を重視し、開発工数の短縮が求められるといった時代の流れに合わせて変わってきたといえます。もちろん、全ての組み込み機器にその考えが当てはまるとはいえませんが、Windows Embeddedは、PC向けのWindowsとの互換性を重視する方向に変化してきています。
そして、最新のWindows 10 IoTでも、このIndustryのモデルが継承されることになります(詳しくは後述)。
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組み込み/IoT機器開発で使えるWindows
マイクロソフトの組み込み/IoT機器向けOS「Windows Embedded/IoT」の導入メリットとは? Windows Embedded/IoTの最新情報や活用ポイントを、他の組み込みOSとの違いを交えながら詳しく解説する。
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