設計者は確かに忙し過ぎる――だからといって自己研鑽を怠っていては先はない:設計者CAEは普通の解析と何が違う?(13)(1/2 ページ)
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。最終回となる今回は、「これからの設計者CAE」をテーマに筆者の考えを示します。
「設計者CAE」について、これまでお話を進めてきました本連載もいよいよ大詰め。最終回となる今回のテーマは「これからの設計者CAE」です。
さて、あらためて設計者CAEに対する筆者の考えを示すと、
- 構想設計の段階において、設計の方向性を決めるもの
- 詳細設計において、設計のパラメータを決めるもの
- 失敗解析(CAE)は、本来の設計者CAEの目的とは異なるもの
とまとめることができます。
筆者がCAEに関わるようになってから既に約10年が経過しました。CAEに関わり始めた当時を振り返ってみると、筆者は装置設計を行う設計者でした。それと同時に3D CAD推進者としてCAEの導入を行い、その運用も行っていたので、まさに“電卓替わりにCAEを使用する”設計者CAEの実践者だったといえます。
当時と比べ、職場環境は大きく変化しましたが、筆者は今でも開発設計を行う現場の近くに身を置き、日常的にCAEを運用しています。
今から約7年前の2011年にMONOistで「TwitterからあふれたCAEの本音語り」という座談会が開催され、筆者も参加しました。その中で「僕ら(解析担当者)は、偉くなるべきか?」という会話があり、「偉くなりたい人は、この道(CAE)を歩んじゃダメなんだよ〜」と発言していた人もいました。
そして今――。筆者はというと、職場こそ変わったものの“偉く”はなっていません(笑)。どうやら偉くなれない“何か”があるようです……。
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身近にある設計者CAEツール
まずは、筆者の身近にある設計者CAEツールを考えてみます。
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