連載
実機製作後ではなく、開発設計の初期段階でCAEを先行的に運用せよ:設計者CAEは普通の解析と何が違う?(11)(1/2 ページ)
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第11回では、CAEの運用が進み始めると直面する、解析担当者にとっての“困りごと”について紹介します。
これまでお伝えしてきた通り、地に足の付いた「設計者CAE」を行うには、五月雨式のCAE、すなわち“行き当たりばったりのCAE”を行わないという視点に立って、「設計FMEA(DFMEA)」を使用することで、
- 開発設計の初期段階で、新規の開発設計要素における潜在リスクを見つける
- 潜在リスクがCAE技術によってシミュレーション可能であれば、CAEを使用する
- 詳細設計が進むにつれてリスクも変わる(シミュレーション結果の検証については触れていませんが、あらためてこの検証について説明します)
ということを理解し、その上でCAEを使用してシミュレーションを行っていく前提として、
- 何の結果を求めたいのか
- どこの部位を見たいのか
を明確にし、開発設計段階における先行的なCAE活用を進めていく必要があります。このように社内におけるCAE運用のモチベーションが少しずつ高まってくると、解析担当者は次のようなシーンに出会うことになります――。
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