連載
ソフトウェア品質向上のキモは「行動」にあり:IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(9)(2/5 ページ)
製品とともに行動してこそ品質は変わる。行動することで、品質は製品の「おもてなし」になり、「究極の品質」でもてなすことができる。
100の理論よりも1つの実践
品質は止まって考えるよりも歩きながら考え行動するのがいい。コツコツ行動するのがいい。しかし世の中には数多くの品質本で溢れおり、理論も手法もツールも人の数ほど多くある。品質向上のために100冊の本を読めば100の理論を学ぶことは可能である。そして精神的には大きな満足を得られるだろう。しかしこれでは駄目である。
品質計測が弱いと思えば、品質計測の本を読むのではなく、まずは品質計測をする。その方が無駄な計測をしなくて済む。先に本を読んでしまうと、あれもこれもと計測して、計測だけで満足してしまうだろう。そして自分も周りもいつか気が付く。「なんて無駄な計測をしてしまったのだろう」と。
品質制御をしたいと思えば、計測した結果から「簡単な分析」または「直観」で弱点を見つける。その弱点の品質を今、自分が持っている知識とスキル、技術、手法、ツールだけを使って、制御する。その制御の効率が悪くても、保守性が悪くても、後から改良できるので大丈夫である。少しずつでも実践することが大事である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- プロジェクトを成功させるモデリングの極意(完全版)
ソフトウェアの開発において「モデル」へ求められるものはなんでしょうか。モデルの分かりやすさの基準=モデルの良さの基準を紹介し、“プロジェクトを成功させるモデリングの極意”として、モデリングを成功させるコツを学んでいきます。 - IoTやAIが一般化する時代、ソフトウェアテストはどうあるべきか
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて考察する。 - ソフトウェアテストの試練(後編)―IoTとAI、ビッグデータが愛したテスト
IoTとAI、ビッグデータが一般化した時代に求められるソフトウェアテストとは、どのようなものになるのか、今回は新時代に求められるテストの必要条件とは何かを見ていくことにする。 - ソフトウェアテストの試練(前編)―IoTとAI、ビッグデータの試練を乗り越える開発
IoTやAI、ビッグデータのソフトウェアテストにどんな試練と障壁が待ち受けていて、その壁は登り越えられるのか。今回から新時代のソフトウェアテストの試練について見ていく。まずはテストに深く関係する「ソフトウェア開発」について振り返る。 - ソフトウェアテストのコストと品質(後編)―現場と「上」で一緒に考える
ソフトウェアテストの最大の問題である、「テストにかけるコスト」と「得られる品質」のバランスをどのように取るのか。この関係について、開発現場と経営者的視線である「上から目線」の双方から考えていく。 - ソフトウェアテストのコストと品質(前編)―「テストの究極の問題」を考える
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。