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「iPhone10周年」を控える中、足元にくすぶる火種:企業動向を振り返る 2017年5月版
過去1カ月間のエレクトロニクス関連企業の動向をピックアップしてお届けする「企業動向を振り返る」。5月は各社より決算が発表されましたが、明暗は分かれたようです。iPhoneを巡る、AppleとQualcommの訴訟は「10周年モデル」の登場前に解決するのでしょうか。
5月はエレクトロニクス企業に限らず、各社から決算が発表されます。短期(四半期)業績については為替をはじめとした時事的な要因にも左右されることもあり、その企業の現状を知る手段として利用されることになりますが、より興味深いのは経営トップが四半期よりも長期的なスパンにおける予想や計画を開示することでしょう。来年のことを言うと鬼が笑うとはいいますが、トップがどのような考えを持って問題に対処するかを知ることは市場および投資家にとって重要な情報ですし、未来を占う材料としても有益なものとなります。
Appleが発表した2017年度第2四半期(4月1日を末日とする)の売上高は、前年同期比5%増となる528億9600万米ドルでした。世界的なメモリ価格の高騰や売上におけるiPhoneシリーズへの依存と中国市場の減速など、複数の懸念材料が存在する中では十分な結果だったといえるでしょう。ですが、足元には火種がくすぶっています。
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