製造業のIoT/AR活用のカギはCADとPLMにあり――現実味を帯びてきたフィジカルとデジタルの融合:LiveWorx 2017/PTC 基調講演(1/2 ページ)
年次ユーザーカンファレンス「LiveWorx 2017」の基調講演に登壇したPTC 社長兼CEOのジェームズ・E・ヘプルマン氏は、同社が推進する「フィジカルとデジタルの融合」の中心的な役割を担うのが「CADとPLMだ」と述べ、IoTやARがどのような形で活用され、価値を生み出すのかについて、Bosch Rexrothの取り組みを例に説明した。
近年、主力のCAD、PLM事業よりも、IoTプラットフォーム事業の話題が目立つPTC。昨年(2016年)開催されたワールドワイドの年次ユーザーカンファレンス「LiveWorx 2016」では、同社のIoTプラットフォーム「ThingWorx」やThingWorxと「Vuforia」の技術を融合したARソリューション「ThingWorx Studio」を中心とした、革新的な未来のモノづくりへの展開とそのビジョンが示された。
これまで買収してきた企業の技術やソリューションがどのような形で融合され、その価値がどのようにしてもたらされるのかを提示することは自然な流れといえる。しかし、その一方で長年同社のCADやPLMを活用してきたユーザーから「PTCはどこへ向かうのか?」といった不安の声が聞かれたのも事実だ。
今回開催された「LiveWorx 2017」(会期:2017年5月22〜25日/米国マサチューセッツ州ボストン)では、このような声に応えるかのように、前回よりも鮮明に製造業におけるIoT/AR活用や、同社が提唱し続けてきた「フィジカルとデジタルの融合」の中でのCADおよびPLMの役割についてのメッセージが打ち出され、実務レベルでの活用のイメージが伝わってきたように思う。
本稿では、同年5月23日のキーノートに登壇したPTC 社長兼CEOのジェームズ・E・ヘプルマン(James E. Heppelmann)氏の講演内容を紹介しながら、同社のビジョンと実務におけるIoTやARの活用事例について紹介したい。
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