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ガラパゴス化しつつある日本の製造業、取り残されるプログラミング言語IIoT時代にこそ、日本のモノづくりが世界で強みを発揮する(3)(1/3 ページ)

日本のみならず世界的に盛り上がりを見せる「IIoT(Industrial IoT)」の技術で、製造業はどう変化していくのか? 日本の製造業がその変化に追従していくためのボトルネックとなる“ガラパゴス化”について解説する。今回は、国内製造業で広く浸透している「ラダー言語」について取り上げる。

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 前回は、コントローラー、センサー、アクチュエーターを接続するフィールドバスが標準化されていないため、これら全ての機器を1社のメーカーに依存して導入せざるを得ない日本の現状を解説した。ここでもう一度われわれの目的を再確認したい。「IIoT(Industrial IoT)」は、全ての産業機器をネットワークに接続することで、新たなモノづくりの在り方を創造しようとしているのである。前回の内容では、それにもかかわらず足元の機器ですらつながらない国内の現状と、欧州勢が国内よりも先に進んでいる点について触れた。

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 今回はもう1つ、国内の製造現場において“ガラパゴス化”して世界から後れを取ろうとしている点を指摘したい。それは「プログラミング言語」である。日本国内では異常といわれるほど「ラダー言語」が浸透し、製造現場における上位層から下位層まで区分けなく全てにラダーが活用されている。注意していただきたいのは、ラダー言語が悪いといっているわけではない。ラダーは優れた言語であり、上位層で全体のシーケンスを決定するには素晴らしい性能を発揮する。そして、欧州でもラダーは広く活用されている。問題なのは、日本の製造現場の多くでシステム全体をラダー言語でベタ書きしていることである。

 また、もう1つの問題は、一概にラダー言語といってもそこには多くの“方言”がメーカーごとに存在するため、ある1社のラダー言語を学んだ技術者は、簡単に他のメーカーのPLCに移れないという実情がある。前回、フィールドバスの縛りによりメーカー依存になっている現状を解説したが、実はプログラミング言語のレベルでもメーカー依存を引き起こしているのである。ここに疑問を呈したのはやはり欧州のユーザーであり、「ハードウェアについてはメーカーの独自性を尊重するが、プログラミング言語は統一しよう」という動きが生まれた。

 このユーザーの声はメーカーを動かし、1993年にPLCプログラミング言語の国際標準規格「IEC 61131-3」として、ラダーを含む5言語が定められた(ラダー言語、ST言語、FBD言語、SFC言語、IL言語)。

ラダー言語とは?

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