AI時代に舵を切る半導体ベンダーの「持ち札」:Renesas DevCon Japan 2017(2/2 ページ)
日の丸半導体ベンダー、ルネサスが攻勢の兆しを見せている。17年度第1四半期決算は好調でありインターシルの買収も終了した。5年ぶりに開催したプライベート展で語られた、攻勢を支える「持ち札」とは何か。
産業機器に「後付け」でAIを
次いで登壇した、特定分野別半導体部門を手掛ける第二ソリューション事業本部の横田善和氏は、「スマートホーム」「スマートファクトリー」「スマートインフラ」の3分野へe-AIを適用することで、「現場での認知判断」「熟練者の知恵再現」といった効果が得られると主張する。
e-AIは同社MCU/MPU統合開発環境(IDE)である「e2 studio」にプラグインを用意し、CaffeやTensor Folwといったディープラーニングの学習結果を、GUI操作にて同社マイコンへ実装する。組み込み機器への学習結果実装をIDEから行える環境を用意することで、AIの利用を身近なものとする。この仕組みは既存設備に後付けで装着することも可能であり、完全なリプレースの難しい生産ラインなどへ段階的なAI活用を促す狙いもある。
既に同社那珂工場にも既存設備へのアドオンとして導入されており、講演ではベルトコンベヤーの振動情報解析、生体情報測定、建物などの状態監視と非常時の自律判定、自律走行サービスロボットの姿勢制御などに利用できることが紹介された。
基調位講演の最後に登壇したのは、車載半導体事業を担当する第一ソリューション事業本部の大村隆司氏。大村氏は自動運転時代に向けたコンセプト「Renesas autonomy」を紹介したが、その中で注目すべきは自動運転車について「所有する車」と「乗る車」の2種類に分類しながら事業構想を進めている点だろう。
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